はじめに(長文)

私の趣味の一つに「読書」というのがあります。小3(だったかな)の時に、友達のつきあいで、初めて県立図書館にでかけ、その時から本のとりこになりました。毎日、学校から帰るなり自転車に乗って図書館に出かけ、閉館の17時まで読みあさり、カウンターが閉まる直前に2冊借りて家に帰り、家では食事と風呂の時以外はすべて読書タイム。翌日2冊返してまた2冊借りるといった生活でした。

地方の図書館なもので、こんなことを1年以上も続けるとだんだん魅力を感じる本が少なくなり、ところがもう中毒状態なので、よく分かりもしない中学生向けの本やら一般小説やらなにやらを無理矢理読んだりもしました。「チャタレー婦人の恋人(多分修正版)」も発禁本だとは知らずに小6の頃読みました。でもさっぱり面白くなく、冒頭の数10ページでやめてしまった。

その後、読書量そのものは激減しましたが(年間千冊の生活は1年が限界でした)、読書はいまだに私の主要な、そして唯一長続きしている趣味です。

好きなジャンルは、いわゆる文学作品では、一昔前の外国作家一般、一部の日本の作家です。その他のジャンルでは、推理小説&SFのファンです。そもそも読書の楽しさを教えてくれたのはエドガー・アラン・ポーの本でした。彼の本から出発し、推理小説やSFの世界に引きずり込まれていったような気がします。

最初に読んだSFは(エドガー・アラン・ポーを別にして)「不思議な生物ヴァイトン」(題名自信なし)という子供向けにアレンジした小説(ジュブナイル)でした。確か、人間の感情を餌にして生きている形のない精神生命体と戦う話だったと思います。同じシリーズでハインラインの小説をアレンジした世代宇宙船の話(原本は「宇宙の孤児(だったか?)」)もありました。

このうちのどちらか(あるいは両方)の編集者が、当時SFマガジンを編集されていた福島さんで、あとがきでSFマガジンの紹介がありました。それが私とSFマガジンのファーストコンタクトです。「へー、そんな雑誌があるんだ。」と興味は引かれたのですが、当時の私は小学生、東京オリンピックが終わった頃の時代、地方の小都市では小さな子供が一人で本屋に行くなどということは考えもつかない時代で、軽くあこがれるまま何もすることはできませんでした。

その後、中学も卒業する頃、友達から星新一さんの短編小説集「ぼっこちゃん」(早川文庫)を紹介され、一読で夢中になり、その頃には自転車で本屋通いもするようになっていたので、星新一の別の本を探しに出かけました。このとき、目的の本は見つかりませんでしたが、雑誌の棚で初対面したんです。
早川SFマガジンに!!

「これだっ」と思いました。中も見ずにカウンターに持っていき、抱きかかえたまま自転車をこいで帰宅しました。中学生には少しむずい内容も多々ありましたが、隅から隅まで読み尽くしました。

この後、高校、大学そして社会人になっても、SFマガジンは毎号買い続けました。最初に買ったのが1970年、連続購読をやめたのが1984年です。実のところ最後の数年は惰性だけで買い続けたという想いがあります。大好きな作家が載らなくなり、新しい世代の作品が中心になり、しだいに興味を失ったからです。直接的にはこの前年の10月に結婚し、自由にできるお金が減少したため、リストラの第一候補になってしまったためです。

今でも時々本屋で見かけると「たまには買おうかな」と思うこともありますが、目次を見ると知らない作者のパレードで興味が引いてしまいます。今後も買うことはないと思います。

SFマガジンは、私がもっとも気ままに人生を楽しんでいた時代、心の友でした。この雑誌をきっかけに知った作家、作品も数多あります。受験勉強の最中も、この雑誌を読んで想像の世界にさまよい、一時の幸せにひたることができました。

今は本棚の中に置いてあるだけのSFマガジン。もう一度手にとって昔の輝きを思い出してみよう。そう思ったのが、このサイトを開始したきっかけです。

そんなわけで共感できる人はいないと思うけど、このサイトは主に自分自身のために開設してるんで、たとえ誰も見てくれなくてもいいと思っています。

具体的には、不定期にSFマガジンのバックナンバーを紹介しようと思います。時代の背景とか、自分が何を考えていたとかいう話が味付けになります。実は手元には大学卒業から1984年までの約7年分しかありません。その前のは生家にあります(まだあるはず)。この手元にある分を最終号から遡って毎回1冊ずつ紹介しようと思います。

前述したように、最後の2〜3年はしだいに興味をなくしていった時代で、そこから始めますので最初は気合いが入らない文章になるかもしれないけど、だんだん面白くなるはず。さっきは「誰も見てくれなくてもいい」と宣言し、それはそれで本心だけれど、見てくれる人がいた方が楽しいのも本心ですから、随筆を読むつもりでつきあって下さい。

                               2000年1月 松本健志@横浜