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今月のお薦め本(1983年9月):ドリーム・パーク[原題:Dream Park 1981年初出] |
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舞台は近未来のテーマパーク”ドリーム・パーク”です。約6平方kmの広大な敷地の中で、さまざまなゲームを楽しむことができます。中でも目玉企画は”国際仮想競技協会”が公認する実体験型ロールプレイングゲームで、参加者達は盗賊、魔術師、戦士などの役割を分担し、役割に応じた衣装をまとい、熱帯のジャングルや砂漠を数日間にわたって共同で探検するのです。 「実体験型ロールプレイング」ですから時には魔物が現れて、例えば槍を投げつけたりします。すると空中投影技術により虚空に槍の飛跡を映し出し、あたかも本当に槍が投げられたかのように見せかけます。また見えない場所に配置されたスピーカーが音を作り出します。槍が”当たる”と、当たった場所が赤く光り傷を負ったことを示します。競技者は”霊気”に覆われているのですが、けがするにつれて霊気は赤みを帯び、最後に黒くなると”死亡”です。同様の技術によって、魔法の炎、神の雷、魔獣などが実在する世界を具現しているわけです。 ストーリーの方は、職員用のエリアで発生した殺人事件の犯人探しです。状況から見て、犯人は、丁度開始されようとしている実体験型ロールプレイングゲームの参加者だと推定されます。ゲームを中止して捜査すべきなのでしょうが、なにせ直前準備だけで数ヶ月の期間と大金をつぎ込んだアトラクション。何としてでも予定通り進行させ、記録映画を売って投資を回収しなければ経営者の首があぶない。 会社の幹部達は、ゲームが終了する4日後まで事件を公表せず、自分達の手で犯人をつきとめ、ゲーム終了と同時に当局に引き渡すことに決めます。そのため、ドリーム・パークの保安部長が身分を隠してゲームに加わります。 最後には犯人が見つかって「めでたしめでたし」なのですが、この小説の場合ストーリーはどうでも良くて、ドリーム・ワールドの探求を楽しめればそれで良いと思われます。ゲーム世界を作り出すための視聴覚を欺く仕掛け、ホログラムによる幻想世界、そしてこの”世界”を運用する舞台裏の状況など、興味を引く仕掛けが満載の小説です。 ちなみに、この小説が書かれた頃は、ゲームブックが”はやり”でした。ゲームブックというのは、例えば、 「346 洞窟の中をしばらくを進むと汚れた小さな箱が置いてある。 あなたは、箱を拾って開ける(57へ) 箱を蹴飛ばす(423へ) 無視して先を急ぐ(226へ)」というような記述があり、ここで「箱を拾って開ける」を選んで57番の記述を読むと、「57 箱の中から猛毒で知られるジャマール黒蛇が飛び出し、喉にくらいつく。不注意な冒険者を待つのは死だけなのだ。(終わり)」 とかなんとか書いてある、という本です。1ページ目の1番の記述からスタートし、後は選択した番号に沿って読み進めて行きます(番号は順番に並んでいます)。時にはサイコロを振って運試ししたり、ヒットポイントを紙に書いておいてダメージを受けるたびに書き直したりするわけです。 家庭用ゲーム機もパソコンもない時代に、手軽にロールプレイングゲームを楽しめるということで2〜3年間はやりました。一時期は書店に山積みされていました。このジャンル 話をドリーム・パークに戻しますが、私、いつかはこういうパークが実現するのではないかと思い続けています。現に最近では、WDWの”ミスト島構想”という話題がありました。まだ技術的にできそうもないと思われる部分が多いのですが、よぼよぼになる前に体験してみたいものです。 |