今月のお薦め本(1983年6月):アイザック・アシモフのSF

アイザック・アシモフは1938年に執筆活動をはじめ、1992年、72才でなくなるまで半世紀にわたって200冊を超える作品を残しました。

作品を読んでみればすぐに分かるように、雑学に秀でた人で、SFだけでなく、推理小説、一般向け科学解説書(彼は化学博士でもあります)でも多くの作品を残しています。

アシモフのSFを分類すると、

(1)極近未来の陽電子ロボットをテーマとするシリーズ
(2)近未来の地球と植民惑星のシリーズ
(3)遠い未来の銀河帝国シリーズ
(4)その他の作品群
(私は未読ですが、この中にもジュヴナイルのシリーズものがあるらしいです)

の4つに分けることができます。

この3つのシリーズは、当初は特に関係を持たない独立したシリーズとして書かれていましたが、最終的には1つのシリーズとしてつながりました。

ここでは、このシリーズ作品を中心にアシモフの作品を駆け足紹介してみます。

まずは、全SF作品のリストです。殆どの作品は最低1回は読みましたが、図書館から借りて読んだものや、紛失した書籍もあり、手元には全ての作品はありません。よって、最近とみに怪しくなってきた記憶に頼った文になるところも多々あります。実際に読んでみて私の話と食い違っていたら、笑って許してね。

それでは、表ができたところで、それぞれの駆け足紹介をどうぞ。

(1)極近未来の陽電子ロボットをテーマとするシリーズ
(2)
近未来の地球と植民惑星のシリーズ
(3)遠い未来の銀河帝国シリーズ
(4)その他の作品群


以下の表の「備考」欄の略語ですが、以下の通りです。

早:早川書房から出版、最新の何冊かはハードカバーのみ、順次SF文庫に収録される
創:創元推理文庫に収録  角:角川文庫に収録  岩:岩崎書店・エスエフ少年文庫
講:講談社・少年少女世界科学名作全集

ISBNまで載せるといいとは思いますが面倒なので勘弁してね。出版社まで分かれば書店でも何とかなるはずです。

表は、「ファウンデーションの誕生(早川書房 ISBN4-15-207965-7)」収録の「アイザック・アシモフ SF著作リスト(牧眞司 著)」をベースとし、これに、私自身が所有している本のタイトルを追加したものです。
さらに、以上のリストに、NetNews 投稿記事(fj.rec.sf<oXI55.448$QH2.42128@newsall.dti.ne.jp>)による情報を加えました(2000.7.1)。

表1:極近未来の陽電子ロボットをテーマとするシリーズ
#
原題
邦題
初出
備考
1
I, Robot われはロボット
わたしはロボット
1950年 (短編集)早
(短編集)創
2
Insert Knob A in Hole B つまみAを穴Bにさしこむと(サリーはわが恋人)に収録 1957年 (短編)早
3
The Rest of The Robots ロボットの時代 1964年 (短編集)早
4
Light Verse 光の韻律(木星買いますに収録) 1973年 (短編)早
5
The Bicentennial Man バイセンテニアル・マン(聖者の行進に収録) 197?年 (短編)早
6
The Positronic Man アンドリューNDR114
#5の長編化
1992年
(長編)創
ロボットものは殆どの作品が短編から成るシリーズです。
#6だけが長編ですが、これはロバート・シルヴァーバーグとの共著による、短編のリメイクです。

2:近未来の地球と植民惑星のシリーズ
#
原題
邦題
初出
備考
1
Mother Earth 母なる地球(アシモフ初期作品集3に収録) 1949年 (短編)早
2
The Caves of Steel 鋼鉄都市 1954年 (長編)早
3
The Naked Sun はだかの太陽 1957年 (長編)早
4
The Robots of Dawn 夜明けのロボット 1983年 (長編)早
5
Robots and Empire ロボットと帝国 1985年 (長編)早
こちらは4つの長編と1つの短編から成り立っています。
#4の中でこのシリーズの背景となる時代がロボットものに続く時代であることが明らかにされます。
また、#5は、銀河帝国シリーズの伏線といえる作品です。
このシリーズは出版順と作品が取り扱う時代順が一致しています。

表3:遠い未来の銀河帝国シリーズ
#
原題
邦題
初出
備考
1
The Currents of Space 宇宙気流 1952年 (長編)早
2
The Stars, Like Dust 暗黒星雲のかなたに 1951年 (長編)創
3
Pebble in the Sky 宇宙の小石 1950年 (長編)早
4
Blind Alley 袋小路(アシモフ初期作品集3に収録) 1945年 (短編)早
5
Prelude to Foundation ファウンデーションへの序曲 1988年 (長編)早
6
Forward the Foundation ファウンデーションの誕生 1993年 (長編)早
7
Foundation ファウンデーション
銀河帝国の興亡1
1951年 (長編)早
(長編)創
8
Foundation and Empire ファウンデーション対帝国
銀河帝国の興亡2
1952年 (長編)早
(長編)創
9
Second Foundation 第2ファウンデーション
銀河帝国の興亡3
1953年 (長編)早
(長編)創
10
Foundation's Edge ファウンデーションの彼方へ 1982年 (長編)早
11
Foundation and Earth ファウンデーションと地球 1986年 (長編)早
12
The End of Eternity 永遠の終り 1955年 (長編)番外、
13
The Gods Thenselves 神々自身 1972年 (長編)番外、
14
Nemesis ネメシス 1989年 (長編)番外、
リストは発表順ではなく作品の背景となる時代順に並べています。
最初の3冊は銀河帝国成長期が背景。この3冊の年代順については、「夜明けのロボット」の巻末解説(高橋良平)に記載の、アシモフ自身による順番リストに従っています。
#4は、おそらく銀河帝国の最盛期を背景とする唯一の作品です。
#5〜#6は時代がぐっと飛んで銀河帝国末期のお話。
#7〜#11は銀河帝国の後継社会とも言える「ファウンデーション」の物語。
#12以降はストーリー的には全く関係のないお話ですが、シリーズのどこかで関係があるようなことが暗示されています。

表4:その他の作品群
#
原題
邦題
初出
備考
1
The Stars, Space Ranger 天狼星の侵略 1952年 (長編)角
2
Lucky Starr and the Pirates of the Asteroids 小惑星の海賊 1953年 (長編)角
3
Lucky Starr and the Oceans of Venus (未訳) 1954年 (長編)
4
The Martian Way and Other Stories 火星人の方法 1955年 (短編集)早
5
Lucky Starr and the Big Sun of Mercury 水星基地のなぞ 1956年 (長編)講
6
Lucky Starr and the Moons of Jupiter 木星のラッキー・スター 1957年 (長編)岩
7
Earth Is Room Enough 地球は空き地でいっぱい 1957年 (短編集)早
8
Lucky Starr and the Rings of Saturn 太陽系の侵入者 1958年 (長編)岩
9
Nine Tomorrows 停滞空間 1959年 (短編集)早
10
Fantastic Voyage ミクロの決死圏 1966年 (長編)早
11
Asimov's Misteries アシモフのミステリ世界 1968年 (短編集)早
12
Nightfall and Other Stories 夜来たる
サリーはわが恋人
(邦訳は2分冊)
1969年 (短編集)早
13
The Early Asimov 1,2,3 アシモフ初期作品集1
(カリストの脅威)
アシモフ初期作品集2
(ガニメデのクリスマス)
アシモフ初期作品集3
(母なる地球)
1971年 (短編集)早
14
Buy Jupiter and Other Stories 木星買います 1975年 (短編集)早
15
The Bicentennial Man and Other Stories 聖者の行進 1976年 (短編集)創
16
The Winds of Change and Other Stories 変化の嵐 1983年 (短編集)創
17
Fantastic Voyage II : Destination Brain ミクロの決死圏2-目的地は脳 1987年 (長編)早
18
Nightfall 夜来たる
#15収録短編の長編化
1990年 (長編)創
19
The Ugly Little Boy (停滞空間)#15収録短編の長編化(未訳?) 1991年
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こちらのリストは発表順に並べています。短編については私に確認できるものだけ上げています。
#1〜#3、#5〜#6、#8の7冊はラッキー・スターを主人公とするジュヴナイルのシリーズだそうです。
#10は映画脚本の小説化(ノベライゼーション)、#17は単なる小説化に飽き足らぬ思いでいたアシモフが後年、純粋な(?)小説として書き下ろしたものだと聞いています。
以上の9冊については私自身は未読なので、これ以上を語る資格はありません。
#18と#19はロバート・シルヴァーバーグとの共著による、短編のリメイクです。#18は邦訳がありますが#19は不明。
残りの8冊は短編集で、ひょっとしたら#7の中、あるいはこの表に載っていない未訳の短編集にもシリーズものの一篇がひそんでいるかもしれません。見つけたらその都度アップします。