1983年4月号(298号)

ハヤカワSFマガジン298号表紙
(C) 早川書房
掲載作品はあまり夢中になれませんでしたが、読み返してみたら、いくつか面白い記事がありました。

1つは、サイエンス・トピックで、我が国初の実用通信衛星が打ち上げられたというニュースです。光ファイバー通信と並ぶ、21世紀の通信手段だと紹介されています。

私なんかこの頃は光ファイバーという言葉さえ知りませんでしたが、17年も前から注目されていたんですね〜。

2つ目は連載企画のSFセミナーで、今月はソ連のSF作家エフレーモフの作品、「アンドロメダ星雲」と「丑の刻」の解説です。どちらも、「真の」社会主義が発展してユートピアが実現した未来を舞台にしたお話です。

題名は有名だし、「丑の刻」の方は私も早川さんのハードカバーを持ってるんですが、最初の10ページ以降に進めずにいます。

「真の」社会主義と冠頭詞を付けたのは、解説によれば、エフレーモフは、ソ連社会を「真の」社会主義だと思っていなかった、という事情によります。

それにしても、この当時は、ソ連がなくなるなんて、よほど先の見える人か、いいかげんな事を平気で話す人以外は、誰にも想像できないことでした。また、時の流れを感じてしまいました。

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今月の海外作品は3本。冒頭で書いたように「これは面白いっ!」と膝を打つようなものはなかったのですが、かといって「つまらん!」と切り捨てるほどでもなし、ほどほどの作品ばかりを拾ってきたという感じです。

まず、「シッター」は近未来の田舎町を舞台にした物語。年老いた高校理事長の目を通して、町の情景、子供たちの姿、過去の思い出、古くからの友人、そして、この町に住みつき、子供たちの世話をして暮らす宇宙人などが、シマックらしい情感あふれる筆致で描かれます。

「巣」は、人類が「育種党」と「機械党」に分かれて覇権を争うというシリーズの第一作のようです。本編は「育種党」の大尉が、小惑星内部に巣を穿って生活する共生生命体の秘密を持ち帰ろうとする、というストーリーで、奇妙な共生対社会の描写は面白いのですが、結末が「尻切れトンボ」の感じで、ちょっと物足りないのが最大の欠点です。

最後の「ミサイルと星と献立」は、地球を助けるためにやってきた宇宙人たちを、無知な村人が喰ってしまうという、ブラック・ユーモアSF。

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最後に、どうでもいいことですが、今月号前後で連載物の通番がおかしくなっています。例えば、SFセミナーは、第4回が飛んで、5月号の第3回からいきなり7月号の第5回に進化しています(6月号には掲載なし)。たんなるミスでしょうか?それとも深いわけがあるのでしょうか?謎は深まるばかり・・なんちって


全掲載内容
コンテンツ
作者
ページ
表紙イラストレーション 加藤直之
表紙
広告 三和銀行の連載小説広告「みどりはエスパー第10回
-
表紙内側
内表紙
-
1
1
目次
-
2
3
300号記念特別企画 SFマガジン表紙の歴史 Part I
 (中島靖侃、金森達、岩淵慶造、斉藤和明に
  よってデザインされた過去の表紙を紹介)
コメント:中島靖侃、金森達、
岩淵慶造、斉藤和明
4
7
(連載第38回)野田昌宏のセンス・オブ・ワンダーランド
 ますます緊迫の度を加えるシャトル打ち上げ前の状景を
 今回はなんと!ワープロを駆使してお伝えしてしまうのだ。
野田昌宏 画:加藤直之
8
11
Sci-Fi Set 第20回 宇宙戦争
 このレコードは朗読とロックとイラスト・ブックレットの
 合本なのだぞ!
難波弘之
12
15
(連載第6回)SPACE ILLUSTREK
 メデューサとの出会い:アーサー・C・クラークより
 木星の巨大生物メデューサ
イラスト:錦織正宣 文:森田繁
16
16
(連載第3回)引き潮のとき
眉村卓 画:佐治嘉隆
17
31
広告 早川書房
 宇宙叙事詩(文:光瀬龍、画:萩尾望都)、
 NASA宇宙船野郎たち(野田昌宏)、
 画集:宇宙英雄ペリー・ローダンの世界(依光隆)
-
32
32
SF SCANNER
 The Purple Book(パープル・ブック)
 by P.J Farmer(フィリップ・ホセ・ファーマー)
大野万紀
33
33
シッター[The Sitter] クリフォード・D・シマック
 訳:鵜飼裕章 画:野中昇
34
54
世界SF情報
 82年のアメリカ出版界(出版点数等の数値情報)
 作家ニュース(1月9日付けニューヨーク・タイムズの
 ハード・カバー・ベスト2位に2010年宇宙の旅、
 4位はアシモフの「Foundation's Edge」)
島田武
55
55
愛しのレジナ 大原まり子 画:南陽子
56
72
SF SCANNER
 Sunwaifs(太陽の落とし子)
 by Sydney J. Van Scyoc(シドニー・J・ヴァン・シオック)
米村秀雄
73
73
ちょっと混線 火浦功 画:いしかわじゅん
74
88
お知らせ 第9回ハヤカワ・SFコンテスト
 選考委員:眉村卓、石原藤夫、伊藤典夫
 入選第一席(20万円)、入選第二席(10万円)、入選第三席(5万円)
-
89
89
巣[Swarm] ブルース・スターリング
 訳:加藤弘一 画:天野嘉孝
90
111
中継ステーション
 もしも、あの時………体験的ifの世界
風見潤
112
112
(連載3回)ビジュアルSFワールド
 破滅がいっぱい
構成:井上博明 文:諏訪碧
画:錦織正宣、青井邦夫
113
119
ミスター・スポット来日
 ミスター・スポックことレモード・ニモイが「スター・トレック2」の
 宣伝に来日。盛況の記者会見。そしてファンの熱いまなざしのもとで
 サイン会を行った。
-
120
120
コミック 桟敷 大野安之
121
136
目覚めよと呼ぶ声あり 亀和田武 画:横山宏
137
153
ミサイルと星と献立
メシュテルハージ・ラヨシュ
 訳:深谷志寿 画:岩淵慶造
154
170
レモード・ニモイ来日 (田)
171
171
(連載2回)SFセミナー
 官僚制過渡的社会におけるユートピア エレーモフSFの意味
波津博明 画:佐治嘉隆
172
177
安田均のアメリカSF情報(12)
 映画とゲームとヒューゴー賞と
安田均
178
183
サイエンス・トピック
 衛星通信時代開幕
池見照二 画:佐治嘉隆
184
185
SFレビュウ 高橋良平 他
186
193
今月のブックガイド 星敬
194
195
てれぽーと
-
196
200
広告 早川書房の出版本
-
201
208
広告 ハヤカワ文庫NVフェア
 '83.2.10〜3.31 全国4000書店で開催
-
209
209
石原博士のSF研究室(25)
 《光世紀世界》の恵まれた星々
石原藤夫 画:宮武一貴
210
218
リーダーズ・ストーリー  講評 選・評:星敬
219
221
リーダーズ・ストーリー  職人 北野勇作
オフ 難波弘之 画:南陽子
222
235
- 風雪シリーズ VI - 全系統異常なし 神林長平 画:横山宏
236
253
(連載第26回)SFエンサイクロペディア
 [G]ゴシックSF〜[H]ハーネス、チャールズ・L
編:ピーター・ニコルズ
 監修:浅倉久志、伊藤典夫
 訳:浅倉久志
254
271
編集後記
-
272
272
広告 ホテルグラドパレス
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表紙内側
広告 ニコンのチタン眼鏡フレーム
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裏表紙
凡例 :小説   :書評、SF関連の話題等   :投稿小説
   
:コミック :SF周辺の話題(アート、音楽、映画等)
   
:投稿   :早川書房からのおしらせ等
   
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