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ハヤカワSFマガジン297号表紙
(C) 早川書房
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作品的には、まずまず満足できます。理由は単純で翻訳物が4作品も掲載されてるから。これは久々の快挙です。
4作品はそれぞれに味があるのですが、1つだけ選ぶとすると、「真説シンデレラ物語」でしょう。よくある、昔話を題材にした作品ですが、誰でも知ってる「シンデレラ」の話を、いじわる(だと伝えられている)姉の観点から書いたお話です。
このお話によると、シンデレラは器量がいいだけで頭が空っぽなお方で、金に困らない家庭なのだから使用人にやらせればいいのに、わざわざ洗濯だの繕い物だのをやりはじめて不幸な少女を演じ、周りを当惑させる、こまったチャンだったそうな。
しまいには皆が行けと言うのに「病気のお父様を一人にしておけない」と言い張って舞踏会を欠席し、自己犠牲の喜びに浸っていたのですが、知り合いのおばさまに「あんたみたいな娘は早くお嫁に片づくのが父親にとっても一番の幸せよ」と説得されたとか。
二人の姉は、器量は悪いけれども聡明で、周囲からの人望も厚い女性として描かれております。
誰だったか、「同じストーリーでも観点を変えれば全く違った話になる」という言葉を思い出しました。例えば非合法政治活動家を追う立場から書けば、凶悪な犯罪者から市民を守るという話が出来るし、同じ出来事を活動家の観点から語れば、不当な政府と闘う自由の戦士の話が出来上がる、というわけです。
2番目におもしろかったのは「ティハーマ」かな。遺産を使い果たした男が、インディアンの呪術を使って悪事を企てますが、「人を呪わば・・」ということば通りの結末になります。ストーリーそのものだけでなく、作品に現れる呪術的な生き物(精霊)や、インディアンに伝わる伝説も興味深く楽しめました。
「バベル2」も。地球外からきた知性体(手っ取り早く「宇宙人」と書かないのにはワケがある)がうっかり引き起こした、ある現象のために地球中が大混乱するというコミックSF。ちょっぴり風刺の効いた都会派SFです。「ある現象」というのがどんな現象なのかは、題名をヒントに想像することが出来ます。
最後の「見張り」だけは、今ひとつの感あり。数百年後の月が舞台です。月面の見回りに出かけた主人公が謎の機械から攻撃を受けます。「さて、この機械の正体は?」という内容。いかにも東欧風な「まじめな」小説です。
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作品以外では、「安田均のアメリカSF情報」の中で、コードウェイナー・スミス、「SFセミナー」では、クラークと、私の好きな作家の名前があちこちに登場していました。
少し身の程知らずですが、アシモフの作品紹介が終わったら、コードウェイナー・スミスの作品紹介してみようかな、なんて思ってしまいました。
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