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ハヤカワSFマガジン292号表紙
(C) 早川書房
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今月号で一番の作品は「さあ、みんなで眠ろう」、タスマニア原住民の絶滅を下敷きに書かれたという、とある星の原住民滅亡話です。暗い結末ですが、読後感は悪くありません。
(2003.9.13 追記)
本日読み返したところ、巻末ノヴェル「七百年の幻想」のおもしろさに気づきました。たった一つの大陸とその周辺の無数の島々からなる惑星が舞台。
金属資源が乏しいため機械技術は未発達ですが、ガラス繊維を利用した建築材なども開発されており、全般的な技術レベルは20世紀初頭ぐらいのイメージでしょうか?
700年前からは巨大な出版”船”による書籍出版業もさかんです。出版船は、船内に書籍の編集・印刷・製本設備を持ち(なんと紙まで、船内で海藻を原料にして製造します!)大陸や島々の港を回って書籍の販売を行います。
若き天体学者である主人公は、老舗の出版船を牛耳る謎の美女から、ある国の独裁者が所蔵している雑誌「ファンタシー」全セット(700年分!)の強奪を依頼されます。
ストーリーも軽快、結末もどんでん返しありで、楽しく読めました。最後に、この惑星が人類の植民惑星であることが暗示されます。シリーズ化を望みたい作品です(って今頃書いてもしかたないんだけどね)。
(以上、2003.9.13 追記)
もう一つの海外短編「蛙」は異星の知的生命体との第一種接近遭遇話。正直なところ何が面白いのか分かりません。「良く書けましたね」というのが感想の全てです。
そういえば、映画E.Tがヒットしたのはこの頃でした。この小説が掲載されたのも、そのせいだったのかもしれません。なお、E.Tと会いたい人は、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドに行けば、E.Tの母星まで見学できます。
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巻頭の広告小説「みどりはエスパー」のテーマは「バンク・カード」(=銀行のキャッシュカード)。もう死語ですよね〜。
おまけに、みどりは午後3時の銀行閉店に遅れまいと必死です。今どこかの雑誌にこんな話が載ってもオチの面白さはちっとも分からないでしょうね。それ以前に「現金がないならクレジットカード使えばいいじゃん。このオバサン何慌ててんの?」といった疑問があがりそうです。この頃はクレジットカードなんて普通の人は持ってなかったんだよね。
最後にもう一つ。日本人作家の作品は基本的にはスキップしているのですが、今月号は何となく「プラトニック・ラブ(これも死語だよな〜)」を読んでみました。
今となっては読む前に落ちが分かってしまうストーリー展開で、旬の時に読まないと面白くないという典型的な例です。で「試験管ベビー」が落ち、ってことは、この言葉が流行ったのも、この頃だったんでしょうね。 |