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冷凍睡眠中の乗客を乗せた植民惑星行きの宇宙船で、たまたま事故により目覚めてしまった男の話。これもディックらしく、現実と夢との境界が次第に分からなくなる作品です。 もう一つの「草原の吸血鬼」は中央アジアの草原を住処とし医業を生業とする「ヴァーカラ族」の青年(?)「スパリーン」の物語。 スパリーンを主人公にした連作(作者が夭折したため3作しか書かれなかったようですが)の第1作です。第2作は、この年の11月号に掲載されています。 第2作を先に読んだときには、特に大きなドラマもなくたんたんと進む話がなんとなく物足りなかったのですが、今回はこういう作風も悪くないと思いました。 人の営みとは無関係に過ぎ去っていく広大な草原の時間を感じました。 ************************************ 第7回を数える會津信吾さんの「科学冒険時代」、明治から昭和初期あたりまでのサイエンス・フィクションを紹介する連載ですが、今月号は、子供向け冒険小説雑誌を2つ紹介しています。うち「讀海」は大正9年から昭和19年まで続いた子供向け小説雑誌。かの山本周五郎氏も「危し!潜水艦の秘密」など、20作以上を発表されているそうです。 ************************************ 「石原博士のSF研究室」のテーマは、「科学雑誌のブームは”?”である」です。このころ「COSMO81」「|ピュラー・サイエンス日本版」「NEWTON」等の科学雑誌があいついで出版されたようです。 「こういう雑誌を支える土壌が日本にはない。『COSMO81』が成功したからといって、各社が売れると思ってとびつくのは誤り。よほど使命感を持って取り組まないとつづかない」という論調でした。「やめろ」という意見ではなく、やるからには熱意を持って続けて欲しい、という氏の願いが読みとれました。 石原さんがこんなことをおっしゃるのも理由があります。1970年代の終わり頃にSFがブームになり、SFアドベンチャー、SF宝石と、次々にSFマガジンのライバル紙が出現したものの、ブームが沈静化するやいなや、SF宝石がはやばやと休刊してしまったことを嘆いての発言のようです。私も、この両雑誌は創刊号から毎号購入していました。ですから休刊の際にはとても寂しい思いをしたことを覚えています。特に、SFアドベンチャーは名前通りに娯楽に徹していて、真幻魔大戦などのビッグネームの作品が楽しめました。 ************************************ サイエンス・トピックによると、このころ「スチールカラー」という新語ができたそうです。これは、ブルー・カラー、ホワイト・カラー同様、労働者を分類する用語で、産業用ロボットを指す言葉なのだとか。1980年はロボット普及元年だったそうです。ロボットは進化を続けていますが、「スチールカラー」は死語ですね〜 最後に、たまたま書評欄で、小室直樹「アメリカの逆襲ー宿命の対決に日本は勝てるかー」という本が紹介されていました。『アメリカ・ソ連が弱体化する中、このまま日本が躍進をつづけると、米ソが手を組んで日本つぶしを行う恐れがある、その時、日本は米ソ連合に勝てるだろうか?』というような内容のようです。日本が異常な自信に満ちていた時代でした。 |
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