1979年11月号(254号)

ハヤカワSFマガジン254号表紙
(C) 早川書房
てれぽーと(読者からのお便りコーナー)に「SF専門誌も5冊になりました」という文面を発見。ということは、このころが、SFが一番流行った時代です。私も「SF宝石」「SFアドベンチャー」の2誌だけは創刊号から終了まで全巻購読してました。

上記の2誌にSFマガジンも加えた3誌の中では、正直なところSFアドベンチャーが一番面白かったという記憶があります、毎月、忙しくて寝るヒマもなかったはずなのに、SFアドベンチャーだけは隅々まで読んでました。

内容は殆ど忘れてしまったのですが、SFアドベンチャーに「新(それとも真だっけか?)幻摩大戦」が連載されていたことは、はっきり覚えています。残念なことに、話がどんどん発散していって(よく言えば展開していって)、犬の国のエピソードの途中で雑誌自体が休刊になってしまいました。しばらくのあいだ、続きが読みたくて再刊を待っていました。

SFマガジンの方も、ライバルの出現に刺激されたのかどうか、今月号はなかなか良いです。一番は、ほらふきラファティおじさんの「われらかくシャルルマーニュを悩ませり」。タイムマシンで過去の出来事に干渉する話です。

ラファティの場合、アイデアとかストーリーよりも部分部分の表現の方が面白いので、解説はしないほうが良いでしょう。この作品も、にやっとするようなホラに溢れていて、また、教訓があるようなないような、とってもお薦めの作品です。

ジョン・ヴァーリイの「逆行の夏」も良いのですが、私は個人的に、この人の書く未来はキライです。よって説明省略。

(以下、2004.6.12 追記)

最近、ヴァーリイがかつてほどキライでなくなりました。そこで、「逆行の夏」についても簡単に紹介してみます。これは「八世界シリーズ」の1作品で、舞台は水星。母親と2人で暮らしている17才(?)の男の子「ティモシー」が主人公。この家族のもとに、月で育てられたティモシーのクローン女性が訪れます。「彼女の訪問をきっかけにあかされる1家の秘密」がテーマといえばテーマでしょうか。

ヴァーリイの八世界シリーズは、性転換やクローンが当たり前の技術になり、社会慣習や常識も変貌した近未来を背景にして、そこで起きるちょっとした出来事を淡々と書いた作品が多い。というより、近未来の、主として家庭内の出来事を描くことによって、自分の設定した未来像を伝えているという感じです。

うがった見方をすれば、八世界シリーズのみならず、彼の全ての作品によって自分の思想を伝えようとしているのだろうか?「残像」などは、そういうメッセージ性が非常に強くでた作品なのかもしれません。

もう一つの海外作品「煌虫、ホーリーと愛」は、異星の虫「煌虫」が一夜限りの生命を燃焼させて見せる光の乱舞と、宇宙船が着陸途中に墜落する事故場面、この2つのシーンを中心にした作品です。テーマは「『死』は終わりでなく、新たな生命の始まりである」といったところでしょうか。読書感想文を書くのにはうってつけの作品という印象ですが、このテーマを訴えるにしては掘り下げが足りないような気がします。もっと書き込んだ方が良かったかもしれない。

(以上、2004.6.12 追記)

サイエンス・トピックのタイトルは「頭脳の集団移転」。米国を初めとする海外に、優秀な研究者が去っていくという話題。このころから、そういう現象が話題になり始めたんですね。

最後に、日下実男さんがなくなられたということで、追悼記事が載っています。私ぐらいの年代の人は名前ぐらいは知ってると思います。確か、子供時代に「子供の科学」という雑誌で科学解説記事を読んだ記憶があります。


全掲載内容
コンテンツ
作者
ページ
表紙イラストレーション 加藤直之
表紙
広告 三和銀行の小説広告 SF博士の証明(6)4次元設計
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表紙内側
内表紙
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1
1
目次
-
2
3
(連載)銀河旅行と特殊相対論
 章0 夢と好奇心の拡大
石原藤夫 画:宮武一貫
4
11
(連載第14回)SF映画講座
 1937年〜1939年 失われた地平線
井口健二
12
16

逆行の夏[Retrograde Summer]

ジョン・ヴァーリイ
 訳:大野万紀 画:岩淵慶造

17
34

広告 CBSソニー出版
 式貴士著 「イースター菌」

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35
35

妖精が舞う

神林長平 画:中島靖侃

36
54

広告 ビッグクイーンクイズ
 松竹映画「配達されない三通の手紙」の原作者、題名
 (ヒント:エラリイ・○○○○ ○○の町)

-

55
55

<外惑星野郎ども・第3回>13人目の男

今日泊亜蘭 画:金森達
56
69

蛇腹

岬兄悟 画:霜月象一
70
88
お知らせ 第6回「ハヤカワ・SFコンテスト」
 選考委員:小松左京、眉村卓、伊藤典夫
 入選第一席(20万円)、入選第二席(10万円)、
 入選第三席(5万円)

-

89
89

リーダーズ・ストーリー 講評

豊田有恒
90
91

リーダーズ・ストーリー 気象庁予報呪術官

小梁恵子
92
93

リーダーズ・ストーリー 通訳

水木星
94
95

(連載第6回)ロストワールド2

田中光二 画:依光隆
96
110

広告 SFマガジン10月臨時増刊号

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111
111
世界SF情報
 ヒューゴー賞決定!
 (ベスト・ノヴェラ:「残像」ジョン・ヴァーリイ
  ガンダルフ賞:アーシュラ・K・ル=グィン 他)
 その他の賞など
 (ジョン・キャンベル記念賞:「グロリアナ」ムアコック 他)

安田均

112
112
(連載)メタル・メタフィジーク(2)
星雲賞の正しい使い方

吾妻ひでお

113
119
(連載)Science Critique
 地震予知−ナマズの超能力

日下実男 画:宮武一貫

120
123
(新連載)野田昌宏のセンス・オブ・ワンダーランド
 ロケットには月がよく似合うのだ
野田昌宏 画:加藤直之
124
127
ARTIST A LA CARTE (4)
フェビアンは画風だけでなく活躍ぶりもフィンレイそっくりだ

安田均

128
128

われらかくシャルルマーニュを悩ませり
[Thus We Frustrate charlemagne]

R・A・ラファティ
 訳:浅倉久志 画:畑農照雄

129
138

DIMENSION O 23時15分

霜月象一
139
139
<哲学幻想小説>宗教・理性・実践 厳家其
 訳:岩辺卓浩 画:佐治嘉隆
140
147
題名未定新コラム(8) 鏡明 画:高信太郎
148
149

>海外未紹介作家コーナー<
煌虫、ホーリーと愛[Sparkle bugs, Holly and Love]

マイクル・G・コーニイ
 訳:望月二郎 画:中原脩

150
167

SF SCANNER
 クラリオンの卒業生、ジョージ・アレク・エフィンジャー

乗越和義
168
171

SF大会レポート
 第18回日本SF大会 MEICON III
 第4回SFショー
 第18回オーストラリアSF大会 SYSCON'79

鈴木尋久
横山栄一
山本孝一
172
176

てれぽーと

-

177
179

サイエンス・トピック
 頭脳の集団移転

池見照二 画:島津義晴
180
181

(連載第14回)スタジオぬえのスターシップ・ライブラリイ

文:加藤直之 絵:加藤直之

182
183
SFレビュウ 亀和田武 他
184
189
今月のブックガイド
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190
190

追悼 日下実男さん

高田(編集部)

191
191

広告 エラリー・クイーン・フェア
 「災厄の町」映画化決定!映画名「配達されない三通の手紙」
 9月20日〜11月30日 全国4000書店で開催

-
192
192

広告 早川書房の出版本

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193
200

Run with the Wolf(前篇)

栗本薫 画:佐治嘉隆

201
231
編集後記
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232
232
広告 水パイプ アクアフィルタ
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表紙内側
広告 マルゼンタイプライター
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裏表紙
凡例 :小説   :書評、SF関連の話題等   :投稿小説
   
:コミック :SF周辺の話題(アート、音楽、映画等)
   
:投稿   :早川書房からのおしらせ等
   
:広告