1979年10月号(252号)

ハヤカワSFマガジン252号表紙
(C) 早川書房
今月号は「78年ヒューゴー/ネビュラ賞特集」です。安田均さんの解説「英米SF界の動向」の中に次のような一節があります。

「1977年〜78年にかけアメリカのSF界がマーケット的に強大な成長をとげた」「この起点となったのは『スター・ウォーズ』の大成功なのだが・・」

スター・ウォーズの第一作が世に現れて間もない頃で、SF大流行の時代でした。あれから20年以上経ちましたが、未だにスター・ウォーズは伝説の映画。この夏に出来上がるはずの第5作(エピソード2)が楽しみです。

(以上、2001年8月頃記録 以下、2004.6.26追記)

1999年以降、スターウォーズ第4作,第5作が公開され、再び大ヒットしましたが、「つまらない」と感じた人も多かったようです。

その理由の一つは、作品の時代背景や人物像について、懇切丁寧に説明するような作り方ではないからだと思います。そういう基本的な部分については事前に自分で勉強して、それから見に来なさい、というような姿勢が貫かれているのではないでしょうか?

ですから、第1作〜第3作の背景となった出来事が明かされるという、ファンにとってはいわば馴染みのドラマの裏舞台を覗き込むような楽しさがあるのですが、初めて見る人には「これ何?さっぱりわかんない」となるのではないかと。

このシリーズは、やはり、制作順番に全部見ないと面白くないし、第1作が面白いと思えなければ、それ以上見るのはやめた方が幸せでしょう。大好きな映画シリーズではありますが、しょせんマニア向けの映画ですから、つまらないものをムリして見る必要はありません。

それにしても、早く第6作を見たい〜(来年の7月だよね)

(以上、2004.6.26追記)

さて、この年のヒューゴー賞新人賞はオーソン・スコット・カードが受賞。「ユタ州出身の新鋭」とあります。私がカードという名前を初めて意識したのは、この年から10年以上たった後「エンダーのゲーム」を読んだ時でした。

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掲載作品の方は、特集の割には今ひとつのカンジですが、一番は「ジェフティは5つ」でしょうか。エリスンって、もっと毒が強いと思っていたら、これは辛さ抑えめな、ちょっとノスタルジックな作品。主人公の最後の言葉「(過去の懐かしいものがなくなって、そのかわり生活が便利になっていく)それが進歩ってものだろう」という言葉が、ちょっと読者を突き放しているようでハリスンらしいかな。

「ラセンウジバエ解決法」は、普通の男達が女性を殺しはじめるという社会現象が、世界中仁蔓延するお話。主人公は、僻地に単身赴任して害虫駆除対策を研究している科学者(男)です。妻からの手紙で、この現象の発生と拡大を知り、妻と娘の身を案じて自宅に帰ろうとするのですが・・・という筋立てです。

題名の「ラセンウジバエ解決法」とは、雌のラセンウジバエに不妊処置を施して放つことで種の絶滅を計るという、害虫駆除方法。読み終わってから見ると「なるほど」と思わせるタイトルです。

アンハッピーエンドだし、双方の手紙文や日記を主体として構成されているため、若干読みづらいところはありますが、読後感は悪くありません。

「キャラハン亭に夜は更けて」はユーモア小説というか、英米風だじゃれSF。個人的には可もなく不可もなし、という感想ですね。多分、だじゃれで笑えるぐらいに英語に精通していないと面白く読めないかもしれません。そもそも、この手の作品は翻訳すること自体が誤りかもしれない。

「カメレオン部隊」もユーモア小説ですが、こっちはドタバタユーモアSFですね。どんな姿にでも変身できるという特技を持つ「カメレオン部隊」の工作員が宇宙的な陰謀団を壊滅させるお話。変身するだけでなく、ゴムゴムの実でも食べたのか、体を自由に引き延ばしたりもできます。時間つぶしには丁度いいかな。

「星のめぐり」は何が書きたいのか、良く分からんです。解説によれば、純粋(?)なセックスをSFによって表現しようとする試みらしい。そう言われればそうかも。試みが成功しているかどうか私には分かりません。(勘違いしないように、ポルノ小説では絶対にないよ。そもそもエロティックな表現もかけらもありません。)

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今月号から「あずまひでお」(『アジマヒデオ』と呼ばれてました)のナンセンスマンガ「メタル・メタフィジーク」開始です。この当時、私のような世をすねたいわゆるインテリ中心に教祖的な人気がありました(と思いますです)。内容は殆ど(あるいは全然)ないのですが、好きな人は楽しめます。

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SF SCANNER は、露語版「日本沈没」の話題。今はなきソ連での題名は「竜の死」とのこと。日本列島のカタチが竜に似ていることから付けた題名でしょう。そういえば、大学生時代、キリスト教徒の友人から、聖書の最後の審判のくだりに書かれている『竜』というのは日本のことで、日本が世界を亡ぼすのだ、という怪しい説も聞いたことがあります。

「日本沈没」は1973年に国内発表された後、短期間で5カ国語に翻訳され、映画も東欧各国で大ヒットしたとのこと。成長の時代でしたから、恐いのは天変地異だけだったんでしょうね。


全掲載内容
コンテンツ
作者
ページ
表紙イラストレーション 加藤直之
表紙
広告 三和銀行の小説広告 SF博士の証明(5)
破裂しそうな試験管
-
表紙内側
内表紙
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1
1
目次
-
2
3
(最終回)私をSFに狂わせた画描きたち
 リチャード・パワーズ
野田昌宏 カット:加藤直之
4
11
(連載第12回)SF映画講座
 1935年〜1936年 来るべき世界
井口健二
12
16

カメレオン部隊

ロン・グーラート
 訳:沢ゆり子 画:桜井一

17
42

広告 SFマガジン10月臨時増刊号 予告
 SF冒険の世界

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43
43

'78年ヒューゴー/ネビュラ賞特集 解説
 英米SF界の動向

安田均

44
49

ヒューゴー/ネビュラ賞ショート・ストーリイ部門受賞作
ジェフティは5つ[Jefty Is Five]

ハーラン・エリスン
 訳:伊藤典夫 画:角田純男
50
67

風の浜辺

森下一仁 画:佐治嘉隆
68
82
第6回星群祭レポート ハットリ・シゲル
83
83
題名未定新コラム(7) 鏡明 画:高信太郎
84
85

ヒューゴー賞ショート・ストーリイ部門候補作
キャラハン亭に夜は更けて[Dog Day Evening]

スパイダー・ロビンスン
 訳:深川亘 画:畑農照雄
86
97
お知らせ 第6回「ハヤカワ・SFコンテスト」
 選考委員:小松左京、眉村卓、伊藤典夫
 入選第一席(20万円)、入選第二席(10万円)、
 入選第三席(5万円)

-

98
98

DIMENSION O 吊人形

霜月象一
99
99

あし

岬兄悟 画:霜月象一
100
112
(連載)メタル・メタフィジーク(1)
明日なき、えすえふ漫画家入門

吾妻ひでお

113
119
(連載)Science Critique
 私は世にもまれな「地震男」だ!

日下実男

120
123

SF SCANNER
 露語版「日本沈没」にみるソ連の翻訳界

深見弾
124
127
ARTIST A LA CARTE (3)
パワーズの後継者ポール・レアの絵には
SFマインドがあふれている。

安田均

128
128

ネビュラ賞ノヴェレット部門受賞作
ラセンウジバエ解決法[The Screwfly Solution]

ラクーナ・シェルドン
 訳:浅倉久志 画:岩淵慶造

129
149

ヒロイック・ファンタジー日記

栗本薫
150
153

(連載第5回)ロストワールド2

田中光二 画:依光隆
154
169

>海外未紹介作家コーナー<
星のめぐり

ジョージ・ゼブロウスキー
 訳:小宮山康宏 画:佐治嘉隆

170
176

てれぽーと

-

177
179

サイエンス・トピック
 月着陸十周年

池見照二 画:島津義晴
180
181

(連載第13回)スタジオぬえのスターシップ・ライブラリイ

文:加藤直之 絵:加藤直之

182
183
SFレビュウ 川又千秋 他
184
190
今月のブックガイド
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191
191

世界SF情報
 SF情報誌戦争!
 オランダのSF雑誌
 アメリカSF界上半期のベストセラー
 (アン・マキャフリイのドラゴン・シリーズを筆頭に
  ファンタジー旋風が続いている)

安田均

192
192

広告 早川書房の出版本

-
193
200

三人が還って来た

鏡明 画:金森達

201
231
編集後記
-
232
232
広告 水パイプ アクアフィルタ
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表紙内側
広告 マルゼンタイプライター
-
裏表紙
凡例 :小説   :書評、SF関連の話題等   :投稿小説
   
:コミック :SF周辺の話題(アート、音楽、映画等)
   
:投稿   :早川書房からのおしらせ等
   
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