1979年8月号(250号)

ハヤカワSFマガジン250号表紙
(C) 早川書房
野阿梓さんがデビューしました。新人作家恒例の自己紹介欄は「抱負?そんなもの出たとこ勝負です!」と始まります。

萩尾望都さまのファンクラブ会員でもあり、デビュー作品「花狩人」も最初は「ケント紙にGペンで描いた」作品とのこと。小説よりもずっと出来がよいのに、誰も認めてくれなかったそうです。

そういう事情を反映してか「花狩人」のさし絵は、萩尾望都さまが担当!

個人的にはあまり好きな芸風ではないので、きちんと通して読んだことがありませんが、もともとは「ケント紙にGペンで描いた」作品だというのは、うなずけます。少女漫画(実はキライではない)をそのまま活字にしたような作品です。

これがコンテストの一席を勝ち取るのもSFマガジンならではでしょう。現在も寡作ながら第一線で作家活動を続けていらっしゃいますので、興味のある方は書店へどうぞ。

新人作家デビューの一方、山田正紀さんの「宝石泥棒」は今月号で連載終了です。これは結構面白くて、ちゃんと毎月読んでいました。話が盛り上がってきたと思ったら突然エンディングになったカンジで、ちょっとがっかりした事を思い出します。

と、ここまで書いたところで「ひょっとして続編が書かれていないだろうか?」と疑問が湧いたので、WEBで調べてみたらありました!「螺旋の月」という題名の続編が存在しています。もっとも、これを読んだファンの感想によると「ストレートな続編」ではないそうです。

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(以上、2001年9月頃記録 以下、2004.7.10追記)

ここらあたりで、海外作品を簡単に紹介します。

「すべての人々」は、地球上のすべての人々について知っている男(?)のお話。ラファティの作品って、どこか精神状態が普通でない登場人物と、教訓があるなかないのか分からないような微妙な結末が特徴だと思うのですが、この作品に関しては、結末にものたりなさを感じます。

「夢幻時界へ」は、光子帆船の乗組員による独白談。物語の時代には、かつて地球に領土を構えていた国家はそれぞれの惑星に移住し、地球には「かつて中東にあった国(イスラエルのことらしい)」だけが残って地球全土を領土としています。

人類の主要な惑星間通行手段が、宇宙に帆を張って突き進む光子帆船であり、その乗組員は全員オーストラリア原住民の子孫です。何でも、光子帆船を操作するためには、宇宙服なしの身軽な格好で船外作業を行う必要があり、それができるのは、宇宙線に打ち勝つことができる特殊なメラニン色素を備えているオーストラリア原住民だけなのだそうです。

ストーリーそのものは特に凝ったところもなく、前半部分はむしろ退屈でもあります。乗組員達のエキゾティックな風習に気をひかれて読んでいるうちにお話としての山場を迎え、何とか読み切るという感じです。冷静に考えると、オーストラリア原住民による光子帆船運航という、とっぴなアイデアだけで作り上げた作品ではないかと思えます。総合的には可もなく不可もなし、といったところでしょうか。

(以上、2004.7.10追記)

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世界SF情報によれば、この前年のベストSF映画として「スーパーマン」が選ばれたとのこと。映画の中で、スーパーマンが地球の自転と逆方向に何度も回って過去に戻る、という「トンデモ」科学が話題になったものです。

この年は、「ラッシー」も映画化されています。かしこいコリー犬と、そのご主人一家が主人公のアメリカドラマです。私が小さな子供だった1960年代前半にはTVで「名犬ラッシー」というタイトルで連続ドラマをやっていました。「ラッシーー、ラッシーー、ラッシ、ラッシ、ワン、ワン、ワン」で始まる主題歌、いまでもメロディーを覚えています。

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話は変わりますが、私、子供の頃から(と言っても我が家が初代TVを導入したのは、東京オリンピックの年、1964年でしたが)アメリカ製の連続ドラマが大好きで、前述した「名犬ラッシー」の他、「奥様は魔女」「宇宙家族ロビンソン(これもいつだかリメイクで映画化されてました!)」「タイムトンネル」などに夢中になったものです。変わったところでは、ハイスクールの女の子を主人公にした「カレン」というドラマも好きでした。主人公のカレンが初恋で悩んだり、初めてダンスパーティーに出かけるのに、服がないので困ったりというような内容で、家族から「どこが面白いの?」と不思議がられたものです。たしかに小学生の男の子がそんな話に熱中するのは、ちょっとキモイかも。

最後に、サイエンス・トピックの話題。題して「宇宙災害時代」。「空から新幹線よりも大きなものが落ちてくる」という出だしで始まります。これは人工衛星「スカイラブ」落下のニュースです。今でこそしょっちゅう落下する人工衛星ですが、この頃が初めてだったようです。人口衛星の落下、スーパーマンの擬似科学、そして1960年代のノスタルジアが入り混じる、曲がり角の時代でした。


全掲載内容
コンテンツ
作者
ページ
表紙イラストレーション 加藤直之
表紙
広告 三和銀行の小説広告 SF博士の証明(3)
ねじれたデータ
-
表紙内側
内表紙
-
1
1
目次
-
2
3
(連載)私をSFに狂わせた画描きたち
 ギャラクシイの画描きたち
野田昌宏 カット:加藤直之
4
11
(連載第10回)SF映画講座
 1929年〜1932年 月世界の女
井口健二
12
16

第五回「ハヤカワ・SFコンテスト」入選第一席 花狩人

野阿梓 画:萩尾望都

17
63

言語破壊官

かんべむさし 画:楢喜八

64
80

広告 ハヤカワSFフェア
全国4000書店にて。昭和54年7月1日〜8月31日

-

81
81

すべての人々[All the People]

R・A・ラファティ
 訳:浅倉久志 画:畑農照雄
82
91

(連載最終回)宝石泥棒

山田正紀 画:角田純男

92
112

連作 宇宙叙事詩(XI)
 ある記録(三)

文:光瀬龍 絵:萩尾望都
113
119

(連載)Science Critique
金星大気圏の秘密

日下実男

120
123

SF SCANNER
 エリザベス・リンのニュー・スペース・オペラ

大野万紀

124
127
ARTIST A LA CARTE (1)
クリス・フォスは70年代SFアートに
大影響を及ぼした恐るべき画描きだ。

安田均

128
128
小惑星大遊侠伝 龍一郎無情

横田順彌 画:畑田国男

129
146

広告 SFマガジン10月臨時増刊号予告
 9月10日発売

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147
147

世界SF情報
 ネビュラ賞決定!
 (ノヴェラ部門:「残像」ジョン・ヴァーリイ 等)
 ヒューゴー賞ノミネーション
 (ノヴェル:
  「The Faded Sun:Kesrith」C・J・チェリイ、
  「The White Dragon」アン・マキャフリイ、
  「Dreamsnake」ヴォンダ・マッキンタイヤ 等)
 SF映画賞関係
 (第6回SF・ファンタジイ・ホラー映画アカデミー賞
  ベストSF映画:スーパーマン 等)

安田均

148
148

DIMENSION O SALE!

霜月象一

149
149

(連載第4回)ロストワールド2

田中光二 画:依光隆

150
162
お知らせ 第6回「ハヤカワ・SFコンテスト」
 選考委員:小松左京、眉村卓、伊藤典夫
 入選第一席(20万円)、入選第二席(10万円)、
 入選第三席(5万円)

-

163
163
題名未定新コラム(5) 横田順彌 画:高信太郎
164
165

<外惑星野郎ども・第2回>輪(アヌルス)

今日泊亜蘭 画:金森達
166
177

リーダーズ・ストーリー 講評

豊田有恒
178
179

リーダーズ・ストーリー 不眠症

深川岳志
180
181

>海外未紹介作家コーナー<
夢幻時界へ[After a Dreamtime]

リチャード・A・ルポフ
 訳:安田均 画:岩淵慶造

182
208

てれぽーと

-

209
211

サイエンス・トピック
 宇宙災害時代

池見照二 画:島津義晴
212
213

(連載第11回)スタジオぬえのスターシップ・ライブラリイ

文:宮武一貫 絵:宮武一貫

214
215
SFレビュウ 中島梓 他
216
223
今月のブックガイド
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224
224

広告 早川書房の出版本

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225
232

400枚短期集中連載 完結篇
GUIN SAGA 豹頭の仮面 第四話 暗黒の河の彼方

栗本薫 画:加藤直之

233
263
編集後記
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264
264
広告 水パイプ アクアフィルタ
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表紙内側
広告 マルゼンタイプライター
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裏表紙
凡例 :小説   :書評、SF関連の話題等   :投稿小説
   
:コミック :SF周辺の話題(アート、音楽、映画等)
   
:投稿   :早川書房からのおしらせ等
   
:広告