1979年7月号(249号)

ハヤカワSFマガジン249号表紙
(C) 早川書房
第5回「ハヤカワ・SFコンテスト」入選発表が行われました。第4回コンテストが行われたのは、はるか昔のことなので久しぶりのイベントです。時代を逆順に進んでいるため、既に紹介済みではありますが、野阿梓(入選第一席)、神林長平(佳作)、浅利知輝(参考)という結果でした。このコンテストで実際に入選作品が現れるのは珍しい出来事です。

野阿梓、神林長平の両氏はその後、SFマガジンの常連作家となられ、今でもご活躍ですが、浅利知輝さん(当時12才)はどうなさっているのでしょうか?と、またまた疑問を感じたので、WEBで検索したら、紫藤クリニックという病院サイトに、先生の名前として見つかりました。同一人物でしょうか?

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石川喬司さんが「ぼくが東大で講義すること」という題名で特別寄稿されています。この前年の夕刊フジ78年12月23日号では「78年10大ニュース」の一番手として「『未知の年』SFブームで幕を開け、東大でSF講座開講へ」と紹介されたとのこと。

1970年代前半あたりまでは、SFって「キワモノ小説」の扱いでしたから、東大でSFを講義するというのがニュースになったのでしょう。1970年代前半は、読者投稿でも「薔薇族とSFマガジンが(同じジャンルの雑誌として)隣に並べられていて、買うのが恥ずかしかった」とか「SFマガジン下さいと言ったら変な顔をしてSMマガジンを渡された」といった話を良く見かけました。

J・G・バラードあたりが流行ったのも、そういう世間の見方に対する反発が大きかったのかもしれません。だからこそ、SFが普通の小説として認められるとともに、そういう実験的な作風は忘れられていったのかも・・・

なお、石川喬司さんは、一般教育総合科目「時間と進化」のうち文学部門を講義するとのこと。正確には「SF講座」ではないが、SF作品も沢山取り入れる予定で、なつかしい筒井康隆さんの「脱走と追跡のサンバ」(これも思いっ切り実験的小説でした。私はこの作品で筒井ファンになりました。)も講義の中に登場するそうです。

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(以上、2001年9月頃記録 以下、2004.7.17追記)

今月号の海外作品は2作。

「屋根裏部屋の火星人」は、ちょっとホラー風味の短篇。火星人はお話の終わり頃に登場しますが、屋根裏部屋に住んでいるわけではありません。

「おだやかな死」は近未来の(多分)標準的な家族が、墓場でピクニックを楽しむ情景を描いた作品。家族で葬式見物を楽しんだり、12才の息子が同じ年頃の娼婦を買ったり、母親が殺人ごっこに巻き込まれて射殺されるといった、ごく普通のおだやかな一日です。作者はニューウェーブ世代の最後の作家だとか。何とも言えない味のある作品です。

(以上、2004.7.17追記)

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このころ。世の中では、外惑星探索が始まるとともに、原子力発電への反対運動が立ち上がり始めていたようです。

先ず、外惑星探索については、日下実男さんが「1973年の12月にパイオニア10号、74年12月に11号が木星に接近、その頃から、ガリレオ衛星(木星の衛星群)は、科学者の興味を強き惹き、この年(1979年)の3月、ボイジャーが接近し、イオに活火山が存在することが分かった」という記事を書かれています。ひょっとしたらガニメデには(人間が呼吸できる)空気があるのではないか、といった話も宇宙ファンの間で話題になりました。

一方、池見照二さんの「サイエンス・トピック」では、「米原発事故の衝撃」と題して、「このほど起きたスリーマイル島の事故」について解説されています。この事故については、後に事故原因の解説書等も発行され、アシモフの作品「ロボットと宇宙」にもこの島が登場します。ということで、事故の詳細が知りたい方は書店か図書館にどうぞ。なお、事故以前には「このような重大事故は起こりえない」と言われていたとのこと。良く聞くセリフだな〜

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最後に、ジェイムズ・ティプトリイ・Jr(本名アリス・シェルドン)が、「SF界から去る」と宣言したとのこと。私が一番好きな作品は「たったひとつの冴えたやりかた」かな。一言でいえば、主人公に降りかかる残酷な運命と、主人公の気高さが感動を生みます。なお、SF廃業宣言の方は、結局「普通の女の子に戻ります」宣言の類で、それほど気にすることではありませんでした。


全掲載内容
コンテンツ
作者
ページ
表紙イラストレーション 加藤直之
表紙
広告 三和銀行の小説広告 SF博士の証明(2)
3本足のサイボーグ
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表紙内側
内表紙
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1
1
目次
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2
3
(連載)私をSFに狂わせた画描きたち
 ウォーレス・ウッド
野田昌宏 カット:加藤直之
4
11
(連載第9回)SF映画講座
 1924年〜1928年 メトロポリスの登場
井口健二
12
16

火星人たちの前夜

川又千秋 画:金森達

17
41

<特別寄稿>ぼくが東大で講義すること

石川喬司

42
43

第5回「ハヤカワ・SFコンテスト」入選発表
 選考委員:小松左京、眉村卓、伊藤典夫
 入選第一席:「花狩人」野阿梓
 佳作:「狐と踊れ」神林長平
 参考作:「超ゲーム」浅利知輝

討論:
小松左京、眉村卓、伊藤典夫、
(編集部)

44
58

お知らせ 第6回「ハヤカワ・SFコンテスト」
 選考委員:小松左京、眉村卓、伊藤典夫
 入選第一席(20万円)、入選第二席(10万円)、
 入選第三席(5万円)

-

59
59
題名未定新コラム(4) 横田順彌 画:高信太郎
60
61

(連載第3回)ロストワールド2

田中光二 画:依光隆

62
77
カクテルパーティ効果 梶尾真治 画:畑農照雄
78
81
煙が目にしみる 鈴木いづみ 画:岩淵慶造
82
95

(連載第15回)宝石泥棒

山田正紀 画:角田純男

96
112

連作 宇宙叙事詩(XI) ある記録(二)

文:光瀬龍 絵:萩尾望都

113
119
(連載)Science Critique
ガリレオ衛星の正体

日下実男

120
123

SF SCANNER
 三千巻のシリーズに挑むジャック・ヴァンス

米村秀雄

124
127
EDITOR A LA CARTE (6)
バレンタインとエースの両エディターは
いろいろ対照的でおもしろい。

安田均

128
128

屋根裏部屋の火星人[The Martian in the Attic]

フレデリック・ポール
 訳:岡部宏之 画:桜井一

129
141
若草の星 森下一仁 画:佐治嘉隆
142
158

DIMENSION O

霜月象一

159
159

>海外未紹介作家コーナー<
おだやかな死[A Quiet Revolution for Death]

ジャック・ダン
 訳:安田均 画:岩淵慶造

160
168

広告 ハヤカワ文庫NVフェア
4月25日より全国4000書店にて好評開催中

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169
169

リーダーズ・ストーリー 講評

豊田有恒
170
171

リーダーズ・ストーリー 赤い宝籤

持永昌也
172
173

リーダーズ・ストーリー 身を捨ててこそ・・

和気厚至
174
175

サイエンス・トピック
 米原発事故の衝撃

池見照二 画:島津義晴
176
177

(連載第10回)スタジオぬえのスターシップ・ライブラリイ

文:宮武一貫 絵:宮武一貫

178
179

てれぽーと

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182

世界SF情報
 アワード・アワード・アワード
 (英国ファンタジイ賞受賞作:
  「ジェフティは5つ」ハーラン・エリスン 他)
 ティプトリイ、SFから去る
 最後の大アンソロジイ遂に出版
 (危険なヴィジョン・シリーズの第3巻、発行決定)

安田均
183
183
SFレビュウ 中島梓 他
184
191
今月のブックガイド
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192
192

広告 早川書房の出版本

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193
200

400枚短期集中連載 第3回
GUIN SAGA 豹頭の仮面 第三話 セム族の日

栗本薫 画:加藤直之

201
231
編集後記
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232
232
広告 水パイプ アクアフィルタ
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表紙内側
広告 マルゼンタイプライター
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裏表紙
凡例 :小説   :書評、SF関連の話題等   :投稿小説
   
:コミック :SF周辺の話題(アート、音楽、映画等)
   
:投稿   :早川書房からのおしらせ等
   
:広告