1979年1月号(243号)

ハヤカワSFマガジン243号表紙
(C) 早川書房
作品的には、「時空連続下半身」が気になりました、って妙な表現ですが、「梶尾真治さんってこんなのも書くんだ」と驚いたからです。

もっと情緒的な作品を書く人だ、という先入観があったので驚いた次第です。作者が岬兄悟だと言われても信じそうな、どたばた話です。具体的には上半身と下半身が別の時間帯に分かれてしまった男の悲喜劇です。

ちなみに、作品中での事件の発端は、アパートに鍵をかけずに2日出張して戻ったら空き巣に入られていたという話。警官から「不用心だ」と注意されますが。昔はこうでしたよね。

2日はひどすぎますが、私が子供の頃も、ちょっと近所に出かけるだけなら鍵なんてかけなかったなあ。昔、一家で半日出かけた空きに泥棒に入られて、それから必ず鍵をかけるようになりました。1960年頃です。

なお、この小説のアパートには管理人室があり、洗濯は共同のようです。このころは、まだそういうアパートが一般的だったのでしょうか?

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(以上、2001年10月頃記録 以下、2004.9.4追記)

今月号の海外SF作品は3作。

「皮膚騒動」は、蛇のように脱皮するという奇病にかかった男を主人公とするコミカルSF。主人公とガールフレンドが、逆にこの病気を利用して一儲けするお話です。

「シャン」は、ちょっとブラックなユーモアSF。分類すれば、宇宙人による地球侵略ものかな?お年を召した一人暮らしの女性が、したたかに振る舞い、地球を救うとともに、理想的なルームメイト(男性)を手に入れます。

「ハンマー」は、一人乗りの宇宙船を舞台に描かれる心理小説です(多分)。この宇宙船は、数年間の加速飛行を行い、ほぼ光速に達したところで地球に引き返すという、宇宙飛行実験のために打ち上げられたもので、人間の乗組員は主人公一人だけが、主人公をサポートするために多数の人工知能が搭載されています。

物語の大半は、主人公の独白、および、主人公と人工知能の対話です。閉鎖空間の中で、主人公の感情が揺れ動き、強迫観念が高まり、そしてついに・・・というストーリー。この間の描写技術は「さすがレム」と思わせますが、残念ながら面白みには欠けます。個人的にはあまり好きになれませんでした。

ちなみに題名の「ハンマー」は、宇宙線の形がハンマー型であることと、もう一つのこと(これは読んでのお楽しみ)を示しています。

(以上、2004.9.4追記)

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リーダーズ・ストーリー入選の石飛卓美さん。今ではプロのSF作家です。豊田有恒評は「常連寄稿者なのだが悪達者なのが気にかかった。今回の作品はベストといえる。」この方は、1981年1月にも2度目の入選を果たしています。

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「クリスティー・フェア」の広告で、「ビッグ・ナイル・クイズ」というのが出題されています。映画「ナイルに死す」を記念したクイズ。たしか豪華スター競演とか宣伝してました。ナイル河観光風のシーンも多く、どこかの神殿の白い柱を覚えています。

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アリゾナ州フェニックスで、SFコンベンション「イグアナコン」が開催されたとのこと。「イグアナ」は、あの動物のイグアナ、大会にこんな名称を付けた理由は不明です。「イグアナコン」では、ヒューゴー賞ドラマ部門のノミネート作品が発表されたそうです。観客の反応はというと、「未知との遭遇」には、かなりの拍手とそれにまじるブーイング、「スターウォーズ」には圧倒的な拍手、「受賞作なし」が大きな拍手を受けたとのこと。

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編集後記に「『2001年』がついに公開されました。狂乱のSFブームがやっと落ち着いてきたかなという時、さりげなく登場・・・これだけ評判の高い映画にもかかわらず、十年前の初公開を見損なった人が意外に多いのに驚きます。」とあります。また、他の編集者は「SF映画のブームはまだ続きそうな気配を見せていますが、今は「2001年宇宙の旅」の再上映を以て一息つきたい気分。」と書かれています。

読者投稿にも。「初めて見た」という便りあり。「素晴らしいけど、周りの人も少し退屈そうにしていて(分からないのは自分だけではないと)ホッとした」という告白(?)が続きます。私も中学生時代が終わろうとするとき、友人に誘われて一緒に見に行きました。実は、親子連れ以外で映画を見るのは、その時が初体験。さっぱり分からなくて、それがまた、ちょっと大人になったようで嬉しくて・・という思いを感じたものです。


全掲載内容
コンテンツ
作者
ページ
表紙イラストレーション 加藤直之
表紙
広告 三和銀行
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表紙内側
内表紙
-
1
1
目次
-
2
3
(連載)私をSFに狂わせた画描きたち
 値段もワンダーなSFイラスト(その2)
野田昌宏 カット:加藤直之
4
11
(連載第3回)SF映画講座
 1904年〜1907年 ファンタジイ映画の興隆
井口健二
12
16

小惑星帯遊侠伝 龍一郎参上

横田順彌 画:畑田国男

17
39

イグアナコンレポート

伊藤典夫

40
45

サイエンス・トピック
 ミミズのフンで悪臭公害防止

池見照二 画:島津義晴

46
47

時空連続下半身

梶尾真治 画:霜月象一

48
66

広告 クリスティー・フェア
 全国4000書店にて開催 11月1日〜12月31日

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67
67

お知らせ 第5回「ハヤカワ・SFコンテスト」
 選考委員:小松左京、眉村卓、伊藤典夫
 入選第一席(20万円)、入選第二席(10万円)、
 入選第三席(5万円)

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68
68

リーダーズ・ストーリー 講評

豊田有恒
69
69

リーダーズ・ストーリー カメラの中に住む男

石飛卓美

70
71
美獣シリーズ 銀仮面の館

高千穂遙 画:加藤直之

72
94

DIMENSION O 「新山」

新井苑子

95
95

(連載第12回)宝石泥棒

山田正紀 画:角田純男

96
112

連作 宇宙叙事詩(IX) アヤドーヤ物語(七)

文:光瀬龍 絵:萩尾望都

113
119
(連載)Science Critique
ユーフォロジー論考(6)ユーフォロジー確立のために

日下実男 画:佐治嘉隆

120
123

SF SCANNER
 立派な売れない作家J・M・ギャヴロン

米村秀雄

124
127
FANGINE A LA CARTE(6)
Shayol は故トム・リーミイの手になる美しいファンジンだ。

安田均

128
128

巨人

山尾悠子 画:深井国

129
146

世界SF情報
 世界ファンタジイ大賞決定
 (ベストノヴェル:「われらが闇の乙女」フリッツ・ライバー)
 アメリカSF界ベストセラー表
 (リヴァー・ワールド第3作「The Dark Design」ファーマー、
  「白いドラゴン」アン・マキャフリイ 他)
 東大にSF講座開設

(今)

147
147

皮膚騒動[Derm Fool]

シオドア・スタージョン
 訳:塚本淳二 画:桜井一
148
162

お知らせ
 SFマガジン10月臨時増刊号SFクイズ 解答・当選者発表
 (正解者のうちの10名にSFマガジンを半年間送付)

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163
163

シャン

キット・リード
 訳:黒丸尚 画:角田純男
164
164
SFレビュウ 川又千秋 他
165
179
今月のブックガイド
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180
180
てれぽーと

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181
183

(連載第4回)スタジオぬえのスターシップ・ライブラリイ

文:松崎健一 絵:宮武一貫

184
185
第9回 堀晃のマッド・サイエンス入門
 時間よとまれ
堀晃 カット:加藤直之
186
192

広告 早川書房の出版本

-
193
200

ハンマー

スタニスワフ・レム
 訳:関口時正 画:岩淵慶造

201
231
編集後記
-
232
232
広告 カメラロボット Canon A-1 誕生
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表紙内側
広告 マルゼンタイプライター
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裏表紙
凡例 :小説   :書評、SF関連の話題等   :投稿小説
   
:コミック :SF周辺の話題(アート、音楽、映画等)
   
:投稿   :早川書房からのおしらせ等
   
:広告