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もっと情緒的な作品を書く人だ、という先入観があったので驚いた次第です。作者が岬兄悟だと言われても信じそうな、どたばた話です。具体的には上半身と下半身が別の時間帯に分かれてしまった男の悲喜劇です。 ちなみに、作品中での事件の発端は、アパートに鍵をかけずに2日出張して戻ったら空き巣に入られていたという話。警官から「不用心だ」と注意されますが。昔はこうでしたよね。 2日はひどすぎますが、私が子供の頃も、ちょっと近所に出かけるだけなら鍵なんてかけなかったなあ。昔、一家で半日出かけた空きに泥棒に入られて、それから必ず鍵をかけるようになりました。1960年頃です。 なお、この小説のアパートには管理人室があり、洗濯は共同のようです。このころは、まだそういうアパートが一般的だったのでしょうか? ***************************** (以上、2001年10月頃記録 以下、2004.9.4追記) 今月号の海外SF作品は3作。 「皮膚騒動」は、蛇のように脱皮するという奇病にかかった男を主人公とするコミカルSF。主人公とガールフレンドが、逆にこの病気を利用して一儲けするお話です。 「シャン」は、ちょっとブラックなユーモアSF。分類すれば、宇宙人による地球侵略ものかな?お年を召した一人暮らしの女性が、したたかに振る舞い、地球を救うとともに、理想的なルームメイト(男性)を手に入れます。 「ハンマー」は、一人乗りの宇宙船を舞台に描かれる心理小説です(多分)。この宇宙船は、数年間の加速飛行を行い、ほぼ光速に達したところで地球に引き返すという、宇宙飛行実験のために打ち上げられたもので、人間の乗組員は主人公一人だけが、主人公をサポートするために多数の人工知能が搭載されています。 物語の大半は、主人公の独白、および、主人公と人工知能の対話です。閉鎖空間の中で、主人公の感情が揺れ動き、強迫観念が高まり、そしてついに・・・というストーリー。この間の描写技術は「さすがレム」と思わせますが、残念ながら面白みには欠けます。個人的にはあまり好きになれませんでした。 ちなみに題名の「ハンマー」は、宇宙線の形がハンマー型であることと、もう一つのこと(これは読んでのお楽しみ)を示しています。 (以上、2004.9.4追記) ***************************** リーダーズ・ストーリー入選の石飛卓美さん。今ではプロのSF作家です。豊田有恒評は「常連寄稿者なのだが悪達者なのが気にかかった。今回の作品はベストといえる。」この方は、1981年1月にも2度目の入選を果たしています。 ***************************** 「クリスティー・フェア」の広告で、「ビッグ・ナイル・クイズ」というのが出題されています。映画「ナイルに死す」を記念したクイズ。たしか豪華スター競演とか宣伝してました。ナイル河観光風のシーンも多く、どこかの神殿の白い柱を覚えています。 ***************************** アリゾナ州フェニックスで、SFコンベンション「イグアナコン」が開催されたとのこと。「イグアナ」は、あの動物のイグアナ、大会にこんな名称を付けた理由は不明です。「イグアナコン」では、ヒューゴー賞ドラマ部門のノミネート作品が発表されたそうです。観客の反応はというと、「未知との遭遇」には、かなりの拍手とそれにまじるブーイング、「スターウォーズ」には圧倒的な拍手、「受賞作なし」が大きな拍手を受けたとのこと。 ***************************** 編集後記に「『2001年』がついに公開されました。狂乱のSFブームがやっと落ち着いてきたかなという時、さりげなく登場・・・これだけ評判の高い映画にもかかわらず、十年前の初公開を見損なった人が意外に多いのに驚きます。」とあります。また、他の編集者は「SF映画のブームはまだ続きそうな気配を見せていますが、今は「2001年宇宙の旅」の再上映を以て一息つきたい気分。」と書かれています。 読者投稿にも。「初めて見た」という便りあり。「素晴らしいけど、周りの人も少し退屈そうにしていて(分からないのは自分だけではないと)ホッとした」という告白(?)が続きます。私も中学生時代が終わろうとするとき、友人に誘われて一緒に見に行きました。実は、親子連れ以外で映画を見るのは、その時が初体験。さっぱり分からなくて、それがまた、ちょっと大人になったようで嬉しくて・・という思いを感じたものです。 |
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