1978年7月号(236号)

ハヤカワSFマガジン236号表紙
(C) 早川書房
今月号も大好きなアシモフの短編が載っています。冷戦まっただなかの地球を発見した宇宙人(そういう状態の惑星には慣れっこになっています)が、いつものように核戦争が起きて、人類が滅亡寸前になった時点で人類を救おうと、月の秘密基地で待機するお話。(この宇宙人も、かつては核戦争が起きる前に救おうと試みていたのですが、経験からそれが無駄であることを悟ったとのことです)

ところが待てど暮らせど核戦争は起きず、彼らはこの状態を打開するために、地球人を一体拉致し、どうすれば核戦争が起きるかを尋ねてみます。ところが、この地球人は彼らの親切心を理解しようとせず、宇宙人のことを、地球人がくたばるまで待っている「ハゲタカ」だと罵って非難するのです。アシモフとしては、まずまずの出来映えです。

(以上、2001年11月頃記録 以下、2004.10.30追記)

「アイ・シー・ユー」は、空間や時間の制約なく、どこでも覗くことができる「ビューワー」をテーマにしたお話。このビューワーを使うと、自宅の居間から隣人のベッドルーム、ケネディ暗殺事件の現場、火星の表面・・・いつでもどこでも自由に観察することができます。

さて、安価で高性能のビューワーが普及した近未来の生活は?想像力をかきたてるという点でまさに正統派SFといえる短篇です。

「お呼びに応えて」は、冒険SF作家の安アパートに、作品の登場人物が現れるお話。数千年未来からやってきた、この美貌の傭兵は、SF作家が彼女の恋人でもある未来のヒーローとそっくりだと言います。

なにやら冒険が始まりそうな雰囲気でお話が進んでいくのですが・・・ラストでどんでん返し。ちょっとこの結末は納得できないような、面白くなりそうなところであっけなく期待はずれの幕引きになったような・・・。

(以上、2004.10.30追記)

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「リイ・ブラケット逝く」という特別寄稿が載っています。リイ・ブラケットはエドモンド・ハミルトンの奥様で作家。ここ数年、ハミルトンの看病をしていて、夫が亡くなったのを後を追うように亡くなられたとのことです。

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「SFスキャナー」の装丁が懐かしい昔の体裁に戻っています(というか、次号からスタイルが新しくなるわけです)。こういうことって、意外と記憶に残っているものですね。懐かしいスタイルを見た瞬間、「あっ、これだ、昔はこのスタイルだった」と、思い出が蘇りました。

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巻末広告は、Canon のコピーです。お値段は約49万円、50万円以下としては最高性能ということで、1分間に12枚のコピーが可能とのこと。今から見れば大した性能ではありませんが、この当時はすぐれものだったのでしょう。もっとも、この当時の職場には「青焼き」という湿式のコピー機しかなく、こんな高級な機械、見る機会もありませんでした。


全掲載内容
コンテンツ
作者
ページ
表紙イラストレーション 加藤直之
表紙
広告 三和銀行
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表紙内側
内表紙
-
1
1
目次
-
2
3
(連載)私をSFに狂わせた画描きたち
 フランク・R・パウル(その1)
野田昌宏 カット:加藤直之
4
11
(連載第9回)矢野徹インタビュウ
 この人との一時間 星新一
矢野徹、星新一
12
16

アイ・シー・ユー[I see you]

デーモン・ナイト
 訳:浅倉久志 画:千葉たかし

17
28

石川喬司氏 推理作家協会賞受賞

風見潤

29
29

耶路庭(エルニヤ)国異聞

山尾悠子 画:三宅梗之

30
47

地球はプレインヨーグルト

梶尾真治 画:霜月象一

48
76

お呼びに応えて[In Answer To Your Call]

フィリス・アイゼンスタイン
 訳:黒丸尚 画:岩淵慶造
77
89

DIMENSION O 「荒野」

新井苑子

90
90

リーダーズ・ストーリー 講評

豊田有恒

91
91

リーダーズ・ストーリー 長電話

牧村高雄

92
93

リーダーズ・ストーリー 偏見スポーツ新聞

保利英輝

94
95

(連載第7回)宝石泥棒

山田正紀 画:角田純男

96
110

リイ・ブラケット逝く

野田昌宏
111
111

世界SF情報
 エリック・フランク・ラッセル死す
 ヒューゴー賞ノミネート決定
 (「ゲイトウェイ」「悪魔のハンマー」他)
 火星年代記」のTV放映
 アナログ・ブックスがスタート

安田均

112
112

連作 宇宙叙事詩(IX) アヤドーヤ物語(一)

文:光瀬龍 絵:萩尾望都

113
119

サイエンス・トピック
 離陸するSTOLとYX

池見照二 画:島津義晴

120
121

SF スキャナー
 シナバーへ続く道

大野万紀

122
125
(最終回)星座の歳時記
 再び出番が迫るハレー彗星

日下実男 カット:佐治嘉隆

126
128

やさしいハゲタカ[The Gentle Vultures]

アイザック・アシモフ
 訳:冬川亘 画:宮武一貴

129
143

お知らせ 第5回「ハヤカワ・SFコンテスト」
 選考委員:小松左京、眉村卓、伊藤典夫
 入選第一席(20万円)、入選第二席(10万円)、
 入選第三席(5万円)

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144
144
(連載第9回)矢野徹インタビュウ
 この人との一時間 星新一
矢野徹、星新一
145
169

第6回 堀晃のマッド・サイエンス入門
 顔面宇宙

堀晃 カット:加藤直之
170
176

星雲紀の神話(上) −光瀬龍 論−

諸沢高明

177
192

広告 早川書房の出版本

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193
200

星雲紀の神話(上) −光瀬龍 論−

諸沢高明

201
206

SFレビュウ

川又千秋 他

207
212

今月のブックガイド

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213
213

てれぽーと

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(連載第30回)消滅の光臨

眉村卓 画:佐治嘉隆

217
231
編集後記
-
232
232
広告 Canon のコピー
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表紙内側
広告 マルゼンタイプライター
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裏表紙
凡例 :小説   :書評、SF関連の話題等   :投稿小説
   
:コミック :SF周辺の話題(アート、音楽、映画等)
   
:投稿   :早川書房からのおしらせ等
   
:広告