1978年3月号(232号)

ハヤカワSFマガジン232号表紙
(C) 早川書房
今月号の目玉企画は、小松左京さんの「眠りと旅と夢」でしょう。考古学者のチームが古代のミイラを調べるうちに、棺を開けるまではミイラが生きていたという証拠が見つかります。

ミイラは1千年間、棺の中で何を夢見ていたのか?その疑問の解答は宇宙創造の謎につながっていきます。小松左京がSFマガジン向けに執筆した最後の作品で、販売企画としては目玉商品だと思いますが、正直なところ個人的には氏の作品はそれほど好みでないのでパス。

むしろ個人的に面白かったのは、ディレーニイの「プリズマティカ」です。とある港に住む男が、王子と共に、魔法使いによって3つに割られた鏡の中に閉じこめられた王女を救う、寓話というか、おとぎ話的なお話。なお、「眠りと旅と夢」より「プリズマティカ」の方が面白いと感じるのは、単に趣味の問題ですので、念のため。

この他の海外作品は「獣の数字」と「デトワイラー・ボーイ」の2本。どちらもSFミステリーと言えますが、前者は複数の異星人の中から、彼らの言動をヒントにして犯人を捜す、パズル的なお話。一方後者は猟奇的なミステリです。

(以上、2001年12月頃記録 以下、2004.12.4追記)

「獣の数字」は、4人の容疑者(宇宙人)について与えられたヒントから真犯人を探し出すという、殆ど純粋なパズル小説。

一方、「デトワイラー・ボーイ」は、ちょっとクールな探偵が、猟奇的な殺人事件の謎を追究するお話。SFというより、傑作ミステリーと銘打った方がよさげな一品です。被害者はみな血まみれの死体姿で見つかりますが、犯人はヴァンパイアではありません。

(以上、2004.12.4追記)

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「SFレビュウ」のコーナーを(書評コーナー)と説明していますが、このころは、本だけでなくSF全般のレビューだったようです。今月は何と、手塚治虫氏が映画「未知との遭遇」をレビュー。「火の鳥」とテーマが似ており、期待は裏切られなかったそうです。

映画、ミステリ、寓話・・SFっぽいものが何でも流行った一時期でした(かな?)

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サイエンス・トピックのタイトルは「情報洪水をさばく」。今や「情報公害」という言葉ができるほど、情報が氾濫した時代だということで、科学研究用に文献検索システムが構築されることになったというお話。キーワードを入力すると、該当する文献が表示されるという「すごい!」システムとの紹介。キャッチコピーは「タイプ1つで即座に世界の科学文献を」です。インターネットなんて、私も含めてほとんどの人が知らなかった、古き良き時代のひとこまです。


全掲載内容
コンテンツ
作者
ページ
表紙イラストレーション 加藤直之
表紙
広告 三和銀行
-
表紙内側
内表紙
-
1
1
目次
-
2
3
(連載)私をSFに狂わせた画描きたち
 ハネス・ボク(その3)
野田昌宏 カット:加藤直之
4
11
(連載第5回)矢野徹インタビュウ
 この人との一時間 石原藤夫
矢野徹、石原藤夫
12
16
眠りと旅と夢 小松左京 画:依光隆
17
50
プリズマティカ[Prismatica] サミュエル・R・ディレーニイ
 訳:浅倉久志 画:深井国
54
79
(連載第5回)矢野徹インタビュウ
 この人との一時間 石原藤夫
矢野徹、石原藤夫
80
97
(連載第4回)宝石泥棒 山田正紀 画:角田純男
98
112
連作 宇宙叙事詩(VI) たそがれの桜蘭 文:光瀬龍 絵:萩尾望都
113
119
サイエンス・トピック
 情報洪水をさばく
池見照二 画:島津義晴
120
121
SF スキャナー
 最初で最後の
風見潤
122
125
(連載第20回)星座の歳時記
 爆発する星
日下実男 カット:佐治嘉隆
126
128
(連載第4回)ダイノサウルス作戦 豊田有恒 画:スタジオぬえ
129
142
広告 ハヤカワ文庫NVフェア
 全国3000店参加 昭和53年2月10日〜3月31日
-
143
143
獣の数字[The Number of the Beast] フリッツ・ライバー
 訳:冬川亘 画:宮武一貴
144
152
DIMENSION O 「わが人生」 新井苑子
153
153
第3回 堀晃のマッド・サイエンス入門
 地震喪失
堀晃 カット:加藤直之
154
159
世界SF情報
 賞さまざま
 またもや雑誌の誕生と死
 SFファンの社会学的考察
安田均
160
160
てれぽーと
-
161
163
(連載第53回)日本SFこてん古典
 教科書になったSF
横田順彌
164
172
SFレビュウ
手塚治虫、谷口高夫
173
177
今月のブックガイド
-
178
178
デトワイラー・ボーイ[The Detweiler Boy] トム・リーミイ
 訳:伊藤典夫 画:村上遊
179
192
広告 早川書房の出版本
-
193
200
デトワイラー・ボーイ[The Detweiler Boy] トム・リーミイ
 訳:伊藤典夫 画:村上遊
201
214
リーダーズ・ストーリー 講評 豊田有恒
215
215
リーダーズ・ストーリー
"REBEL WITHOUT A CAUSE" ONCE MORE
斉藤淳
216
217
(連載第26回)消滅の光輪
眉村卓 画:佐治嘉隆
218
231
編集後記
-
232
232
広告 Canon のコピー
-
表紙内側
広告 マルゼンタイプライター
-
裏表紙
凡例 :小説   :書評、SF関連の話題等   :投稿小説
   
:コミック :SF周辺の話題(アート、音楽、映画等)
   
:投稿   :早川書房からのおしらせ等
   
:広告