1978年2月号(231号)

ハヤカワSFマガジン231号表紙
(C) 早川書房
創刊18周年記念特大号ということで、たくさんの作品が一挙掲載されていますが、残念ながら日本人作家ばかりで、わたしゃ面白くない。

そんな中、作者的に注目したいのは手塚治虫氏。3月号でもSFレビューを担当されているし、このころはSFマガジンにしばしば登場されていたんですね〜。今月号はエッセイ風の小説「ナスカは宇宙人基地ではない」を掲載。有名なナスカの地上絵(でしたっけ?)がなぜ描かれたのかを想像したお話です。

今月号には、もう一つエッセイが載っています。星新一さんの「バンコックの旅」です。女性雑誌「アミカ」協賛で「星新一とバンコックへ、4泊5日の女性ツアー」という企画が実行され、40人近くのメンバーが集まったとのこと。バンコックまでは、当然、羽田からの旅です(当時はまだ成田闘争中)。機内で「ロッキー」を上映していたとあります。

掲載作品で面白かったのは、リーダーズ・ストーリー(投稿小説)の「今日のノート」です。一週間ごとに、毎日何時に何をすべきか、各人に会わせた完璧なマニュアル(ノート)が配られ、みんながその通りに行動するようになった未来のお話。一週間に1日だけ自由日があり、この日はノートを見ないで行動することが出来ます。そして、その日の行動が分析され、次の週のノートにフィードバックされるのです。

これを読んで、ちょっと前に流行った「未来日記(でしたっけ)」というTV番組を思い出してしまいました(注:この雑文を書いたのは、2001年12月頃です)。この投稿小説の作者は「そんな時代がいつか来るかもしれない」という一種の恐れを抱きながら書かれたと思うのですが、TV番組のとらえ方はむしろ肯定的だったと思います。 そういうものが流行る背景には「何も考えずにマニュアル通りに生きたい」。「誰かにどう生活すればいいか教えてほしい」と望む心があるような気がします。そのうち本当に「日常生活塾」なんてのができて、仕事の帰りに、明日何をすればいいかなんて講義を受けるようになるかもしれない。平和っていいですね〜。

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「堀晃のマッド・サイエンス入門」ではブラックホールについて解説しています。昨今は、この言葉も極く普通の用語になりましたが、このころは流行り初めの時代だったようで、「この数年『ブラックホール』という言葉の流行には目を黒々させるものがある」という書き出しではじまっています。

「サイエンス・トピック」の方は、「風と波で電力を」ということで、風力発電の研究会があいついで発足したことを報じています。風力発電流行のキッカケは、昨今流行の「環境に優しい」とかではなく、我が国が資源不足を補うためには、風力、波しかないというところにあったようです。

「てれぽーと」には、毎月SFマガジンの表紙を描かれている、加藤直之さんからのお便りが掲載されています。内容は、スタジオぬえにもSF関係の依頼が急に増えた等、特にどうといったものではないのですが、それにしてもプロからのお便りを載せるというのが面白い(まさかヤラセじゃないよね)。何でもありの掲載方針だったのでしょうか。


全掲載内容
コンテンツ
作者
ページ
表紙イラストレーション 加藤直之
表紙
広告 三和銀行
-
表紙内側
内表紙
-
1
1
目次
-
2
3
(連載)私をSFに狂わせた画描きたち
 ハネス・ボク(その2)
野田昌宏 カット:加藤直之
4
11
(連載第4回)矢野徹インタビュウ
 この人との一時間 眉村卓
矢野徹、眉村卓
12
16
−UFOハンター・シリーズ− 霧の中の村 田中光二 画:依光隆
17
33
中継ステ*ション 横田順彌 画:畑田国男
34
48
(連載第3回)宝石泥棒 山田正紀 画:角田純男
49
60
悪魔になれない 鈴木いづみ 画:村上遊
61
71
ナスカは宇宙人基地ではない 手塚治虫
72
75
第2回 堀晃のマッド・サイエンス入門
 社長室のブラックホール
堀晃 カット:加藤直之
76
82
−折紙宇宙船の伝説・その5(最終回)− 荒野に呼ぶ声 矢野徹 画:中村銀子
83
122
リーダーズ・ストーリー 講評 豊田有恒
123
125
リーダーズ・ストーリー 今日のノート 平山和代
126
127
リーダーズ・ストーリー 命 秋雅兼
128
129
SFレビュウ 谷口高夫、鏡明、上田力
130
133
今月のブックガイド
-
134
134
ホワイトホール惑星 石原藤夫 画:金森達
135
176
連作 宇宙叙事詩(V) 星と粘土板 文:光瀬龍 絵:萩尾望都
177
183
サイエンス・トピック
 風と波で電力を
池見照二 画:島津義晴
184
185
SF スキャナー
 コンピューターの内宇宙オペラ
大野万紀
186
189
(連載第19回)星座の歳時記
 オリオン座の原始星
日下実男 カット:佐治嘉隆
190
192
(連載第3回)ダイノサウルス作戦 豊田有恒 画:スタジオぬえ
193
216
DIMENSION O 「罠」 新井苑子
217
217
世界SF情報
 トム・リーミイ死去
 世界ファンタジイ賞決定
 インタビュウ・インタビュウ
 (ファンジン「SFレビュウ」に掲載された4作家のインタビュー
  ヴァン・ヴォクト、レイ・ブラッドベリ 他)
(I)、(Y)
218
218
(連載第4回)矢野徹インタビュウ
 この人との一時間 眉村卓
矢野徹、眉村卓
219
244
>眉村卓・司政官シリーズ論考< 司政官の世界 解説:児島冬樹、地図:松崎健一
245
254
−夢書房シリーズ− 棒 石川喬司 画:山田維史
255
265
バンコックの旅 星新一 画:真鍋博
266
278
シメールの領地 山尾悠子 画:三宅梗之
279
288
広告 早川書房の出版本
-
289
296
シメールの領地
山尾悠子 画:三宅梗之
297
306
世界SF情報
 ネビュラス賞決定!(ネビュラ賞をもじった賞)
 (惜しまれつつ去った人に捧げる賞:レム 他)
 イギリスSF雑誌の誕生と死
 ファーマー、再び執筆ペースが上る
 (「階層宇宙」第5作、「リバーワールド」第4作執筆中)
(Y)
307
307
悪魔のホットライン 堀龍之&堀晃 画:加藤直之
308
325
(連載第52回)日本SFこてん古典
 古典SF福袋
横田順彌
326
336
てれぽーと
-
337
339
スーパーカーの幽霊 高斎正 画:宮武一貴
340
358
広告 <第2回>ハヤカワ文庫日本SF作家フェア
 全国3000店参加 1977年12月1日〜1978年1月15日
-
359
359
(連載第25回)消滅の光輪
眉村卓 画:佐治嘉隆
360
391
編集後記
-
392
392
広告 Canon のコピー
-
表紙内側
広告 マルゼンタイプライター
-
裏表紙
凡例 :小説   :書評、SF関連の話題等   :投稿小説
   
:コミック :SF周辺の話題(アート、音楽、映画等)
   
:投稿   :早川書房からのおしらせ等
   
:広告