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この後、クラークの「楽園の泉」もちょっと興味は引かれたものの、最後まで読み切ることはなく、ちゃんと読んだのは単行本になってからでした。「消滅の光臨」の方も、何となくつまらなくなって、そのうち読まなくなったような気がします。 今月号は、フランスSF特集が組まれています。ちなみに、このころのSFマガジンでは、こういったテーマに沿って作品(主に海外作品)を紹介するのが、毎号の恒例だったようです。この数ヶ月前に、編集長が早川浩さんに変わりましたが、この後次第に新しい世代の日本人作家(かんべむさし、山尾悠子、鈴木いづみ・・・)が中心になっていったようです。 他にも何か違いがないかと眺めると「SFでてくたあ」というタイトルが見つかります。これは「SFレビュー」の前身でして、今月号で最終回です。海外セクション、日本セクションと、それぞれ1ページで、新刊本等を中心に紹介されていました。 今振り返って見ると、この年(1977年)の7月頃から12月頃がSFマガジンの大きな変わり目だったようです。 ************************ さて、フランスSF特集ですが、結構楽しめました。 簡単に紹介すると「クラシックは危険」は、未来のラブコミック?えらく古めかしい「記憶管」というのを持ったロボットが出てきます。恋愛は女性がリードする、男から求愛するのはハシタナイという社会設定が、この小説が書かれた時代(おそらく1950年代)には目新しかったのかも。 (以上、2002年2月頃記録 以下、2004.12.23追記) 「悪徳の惑星」は、「ガルド」の使者が、銀河帝国の暴君「レスポンサブル」を葬り去るために、その居城であるガニメデの「七座天使の街」を彷徨うお話。テーマがあるようなないような・・・。まるで夢の中を彷徨っているように、いきなり場面が変わります。「七座天使の街」はカーニバルのような活気にあふれながら、退廃的なムードが漂い、残虐な行為が行われ、何とも言えない堕落した美しさを感じます。ストーリーよりも描写を楽しむ作品でしょう。 「盲目のパイロット」は、視力を失った宇宙飛行士と、放射線障害のため下半身不随の弟が主人公。もぐりの質屋を営むこの兄弟が、ある日奇妙な箱を預かったことから事件が発生します。一種のミステリー小説かなー?ちょっとネタばらしをすれば、宇宙版セイレーン談です。3作品のうちでは、この作品が一番SFしてました。 (以上、2004.12.23追記) どの作品も、なんというかフランス的な気怠さが漂っています。 特集外の作品「壁」は、人口が増え、あらゆる土地の上、海岸の上までもがビル化された未来のお話です。この時代、職場に行くのも部屋(この時代、1部屋が家です)の入口に直結されたエレベータを利用、外に出かけるのもラッシュのため大変で、普通の人は、せいぜい、エレベータを使って職場に行くか、別フロアの病院に出かける程度しか部屋を出ることすらないようです。 主人公の夫婦は、壁をTVスクリーンにして、そこにかつての田園や自然の風景を映し出して生活していますが、やがて、一方の壁ではものたりなくなり、2方、3方、そして全ての壁面をスクリーンに変えてしまいます。そして・・・(といっても大した結末ではないですが・・・) ************************ 「チャンドラー日本の旅」は、オーストラリアのSF作家A・バートラム・チャンドラー氏が、8月21日から9月12日まで来日し、京都、高松、福岡等を回られた記録です。東京でのホスト役は、スタジオぬえの皆さんで、乙黒恵子(ケイ)と田中由利(ユリ、当時は女子大生)の通称ダーティー・ペアも接待に参加したとのこと。お二人が小説の主人公になる以前のトピックです。 最後にサイエンス・トピックによれば、この年、32年ぶりに北海道の有珠山が噴火したとのこと、「やがて富士も噴火する」とありますが、いつのことでしょうか・・ |
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