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倉橋編集長の時代までは、海外作品紹介を中心とするスタイルでしたが、今月号以降は、この頃すでに常連作家となっていた、かんべむさし、山田正紀、堀晃、栗本薫・・日本SF第2世代作家達の作品発表の場に変わっていったような気がします。 表紙作家についても、この年の7月号から、加藤直之さんの作品に変わっています。(そういえば今月号に『加藤直之君を紹介します』という小コラムあり。昭和27年生まれ。スタジオぬえの一員で、「日本一のイラストレーターになってやる!」というのが抱負だそうです。) さらに、その次の今岡清時代には、SFコンテスト等によって自ら発掘した作家を次々とデビューさせ、第2世代作家を真打ち的に使用し、新人の作品を多数掲載するというスタイルに変わりました。 おそらく1970年代終わり頃からのSFブームによって新しい読者層が増え、海外作品よりも。むしろ身近な国内作品の方を好む読者が増えたためではないでしょうか?(登場人物の名前が覚えられないから海外作品はキライだという人も多い(多かった?)ですからね) 掲載作品数の増加に伴い、1作品のページ数は少なめになり、1980年頃には、軽いタッチの国内作品を多数掲載するという方針がはっきり見えてきたような気がします。長期的には、こういった編集方針の変化が、アシモフやハインライン作品でSFに出会い、その後も海外作品中心の読書生活を送ってきた私をSFマガジンから遠ざけることになったような気がします。 ***************************** (以上、2002年2月頃記録 以下、2005.1.15修正) さて、今回の掲載作品は、なんとなくノスタルジックな海外作品が中心です。 「サンディエゴ・ライトフット・スー」は、母の死を契機にカンザスのど田舎からロサンゼルスに出てきた15歳の男の子と45歳の娼婦画家の悲しい(?)恋の物語。これがなぜSFかというと、ストーリーに魔法がからんでいるからです。ロバート・F・ヤングの作品だと言われても信じてしまうかもしれない、魔法を発端として物語が始まり、魔法によって結膜を迎える、ちょっぴりもの悲しい物語。全体に流れるロサンゼルス下町の退廃的な雰囲気がグッドです。 「あの飛行船をつかまえろ」は、むりやり分類すれば、並行宇宙モノでしょうか。ニューヨークに住むドイツ系市民が、ドイツが第一次大戦後に奇跡の復興を果たしたパラレルワールドを垣間見ます。その世界は、公害をまき散らすガソリン自動車ではなく、清潔な電気自動車が道を走り、醜い飛行機など使われず、ヘリウム飛行船がエンパイアステートビルから発着する優雅な社会。主人公はパラレルワールドの記憶を残すことなく現実世界に戻るのですが、なにか懐かしいものを亡くしたような思いに駆られます。 「フィオン・マク・クーメイル最後の戦い」は、誰でも知っている(?)アイルランドの英雄「フィオン・マク・クーメイル」の冒険団。仲間と共に地獄でルシフェルをうち負かし、天国に迎え入れられるお話です。これもSFなのか疑問で、むしろ「寓話」といった雰囲気です。 「ハングマンの帰還」は、一種のSFミステリー。人工知能ハングマンが、無断でタイタンから地球に帰還し、行方不明になり、ほどなく彼を生み出した4人の科学者のうちの一人が惨殺されます。この科学者を殺害したのはハングマンなのか、もしそうだとすれば、ハングマンはなぜそんな犯罪を犯したのか?無登録者である主人公がその謎を追究します。映画の方の「ブレード・ランナー」と似た雰囲気を持つ作品です。 作品自体もミスtりー仕立てで面白いのですが、驚くのは、こんなバカ長い小説を一挙に掲載するというのが当時の編集方針だったようです。おそらく読者のうちの大半が常連ファンで、その時々の掲載作品を見て購入するかどうかを決めるような人は少数派だったから出来たことでしょう。定期購読の割合が減ると、短い作品を沢山推せた方が買ってもらえる可能性が高いということか、そんな思いに駆られました。。 (以上、2005.1.15修正) |
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