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先ず、割とストレートな作品から紹介すると、「たとえ赤い人殺しが」でしょうか。果てしなく続く、ロシアや中国との戦闘、核兵器では決着をつけることができず、毎日、白兵戦が行われています。両陣営とも死者の再生技術に磨きをかけており、兵士は死ぬことも許されません。 主人公は、意に反して何度も蘇生された兵士。彼は、こんどこそは永久に死なせてもらえることを願いつつ、前線で戦い、ようやく死ぬことに成功したと思ったのですが・・・ 「戦争のHORARたち」も、わりとストレートな戦争SFです。人工合成兵士HORARについて取材するため、軍部の許可を得てHORARに化けて潜り込んだ記者が主人公です。彼は最後に『仲間』のHORARとともに戦い戦死します。 「ジャン・デュプレ」は、異星のジャングルを舞台に、地球からの移住民と、地球人に似た原住民「クラハリ」との戦いを描いた作品。移住民の子供ジャン・デュプレの戦いと死の物語です。戦闘場面が背景になっていますが、ジャンルとしては、異星人とのコンタクトものという感じが強いです。 「終わりなき戦い」は、ホールドマンの有名なシリーズの一作。地球人と牡牛座星人(トーラン)との戦争をテーマとした作品で、今回の作品には戦闘シーンこそ出てきませんが、『軍隊』という組織を描いているという点で、まさに戦争SFです。 「グッドライフ」もまた有名な狂戦士(バーサーカー)シリーズの初期の作品。異星人が作った、生きとし生けるものすべてを殺戮する恒星船、バーサーカーを敵とする戦いの物語です。この短編の中心人物は、バーサーカーにとらえられた夫婦の息子(グッドライフ)。彼はバーサーカーに仕える奴隷的な生活を送っているのですが、バーサーカーによって殺された父の死体を発見し、復讐を遂げます。面白いんだけど、終わりが唐突すぎる感があります。 以上の2作品は、宇宙戦争物とでも分類できるでしょう。 残りの2作品は、またちょっと毛色が変わります。「最終戦争」と「ゲーム」は、戦争心理小説とでも言える作品です。 「最終戦争」の方は、だらだらといつまでも続くなれ合い的な局地戦が背景。1等兵ヘイスティングスと中隊長の大尉、通信係の曹長の間でしだいに軋轢が高まり、最後に悲劇が起こります。 「ゲーム」の方は、最終戦争のミサイル発射キーを持って待機し続ける2人の男を描いた短編。12時間交代のはずの任務がすでに133日続いており、2人の精神状態は緊張状態の極に陥っています。 戦争SF以外の唯一の作品は、「手の中の鳥」で、スヴェッツものの一つです。400年ほど未来、環境が完全に破壊され、空気をそのまま呼吸することもできない時代の物語です。政治的には世襲制の国連事務総長が世界を支配しているのですが、総長一族が近親婚を繰り返した結果、当代の総長は5歳児の知能しかない、遊びだけに夢中の人物。 主人公のスヴェッツは上司とともに、この総長のご機嫌取りを主担当とする悲しい雇われ人。思いつきの無茶な要求を受け、タイムマシンを駆使して、過去の珍しい動物を調達に出かけるのですが、いつも任務は妙な具合に進行します。どうやらこの「タイムマシン」、時代を飛ぶだけでなく、現実と夢の世界の境目も飛び越えてしまうしろもののようす。でもそんな事は誰一人気づかないままお話は進みます。今回は、ちょっとした間違いでロック鳥を手に入れてしまう話です。 |
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