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ハヤカワSFマガジン161号表紙
(C) 早川書房
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<人気カウンター>
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| (各号の掲載作品について、読者が1〜5点の範囲でハガキ投票を行い、平均点が高い作品を掲示していました。4点を超える作品は滅多にありませんでした。今回は1972年4月号の結果発表です。) |
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| 順位 |
題名 |
作者 |
得点 |
| 1 |
石機械 |
荒巻義雄 |
3.89 |
| 2 |
神変ヒ一族 |
半村良 |
3.54 |
| 3 |
聞いていますか? |
ハーラン・エリスン |
3.22 |
| 4 |
サンタクロース対
スパイダー |
ハーラン・エリスン |
3.12 |
| 5 |
ダニエル教授の実験 |
マレイ・ラインスター |
3.04 |
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1972年4月号掲載作品の「人気カウンター」を見て、ちょっとびっくり。ハーラン・エリスン作品の評価が意外に低い!「世界の中心で愛を叫んだけもの」がランク外!!
何でだろー。この時代の日本にはバイオレンスSFは合わなかったのだろうか?不思議です。
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先月に引き続きロバート・F・ヤングの作品、それも中篇「妖精の棲む木」が掲載されています。
さまざまな惑星で木樵業を請け負う専門チームが、入植者の依頼に応じて、200m以上の高さにそびえ立つ巨木を切り落とすお話。タイトルの妖精が棲んでいるのは、もちろんこの巨木です。
この設定で作者がロバート・F・ヤングと来れば、妖精と木樵青年との切ないロマンス談か、と思うところですが、この作品はそうではない(淡いロマンスの香りも、あるにはあるが・・・)。シニカルな結末がちょっと「らしくない」ような、それでも面白い作品です。
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私が今月号で一番気に入ったのは、荒巻さんの「トロピカル」です。「妖精の棲む木」は惜しくも2位ってとこですね。
このお話は先月号の「エロータス」と違って、言わば、がちがちのサイコSF(「サイコSF」の定義を聞かれても答えられないのだが・・・)。
時間改変者を捕まえるために未来からやってきた時間局員が主人公。こう書くとタイムパトロール物かと思うでしょうが、アクションなどかけらもなく、よくよく考えてみると「時間改変者を捕まえるために未来からやってきた時間局員」という設定自体が何のためなのか、良く分かりません。
多分「ドラキュラ」伯爵の存在を合理的に説明するための設定なのでしょうが、小説の舞台が主人公の深層意識によって変貌する世界なのだから、そんなもの合理的に説明しても無意味だと思う(そもそも合理的に説明されていないし)。
なんだかんだ、けちをつけるようなことを書きましたが、要するにこの作品は、合理的な展開とか、因果関係とかどうでも良くて、主人公のトラウマに反応して、徐々にいびつに変化していく世界の様相を楽しめば良いのではないかと思います。
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産霊山秘録 第4話は「神州・畸人境」。時代は江戸時代の初め。第3話で芯の山への飛行を試みて失敗した猿飛の息子「佐助」が主人公。佐助は、まだ子供の頃に父を失い、付近に棲むヒ一族の末裔からヒの術を教わるのですが、自身が属しているヒ一族の知識も殆ど学ぶことなく成長します。
佐助はなぜか江戸幕府に命を狙われ、信州から九州まで逃避行を続けるのですが、旅の間に「オシラサマ」という新たなキャラクターと出会います。実は「オシラサマ」はヒ一族の女性集団で、ヒ一族に産まれた女性は、日の光はおろか衣服に対してもアレルギーがあり、化け物のような白い裸体のまま、洞窟の奥深く生きていく運命とのこと。
第1話では神の末裔だったはずのヒ一族がだんだん変質していくような。結局、半村さんはどんな存在にも穢れを浴びせずにいられないんですね、きっと・・・ま、面白いからいいんですけど。
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「ラン・チチ・チチ・タン」は、いかれた(ということはスーパーな)芸術家や科学者の5人の仲間が、世界を支配するリズムを発見し世の中に広めてしまうお話。ひとたび耳にすると頭から離れなくなり、ひたすら奏で続けるという恐ろしいリズムです。実はこのリズム、仲間の一人の御先祖(極悪な呪術師)が時空を超えて子孫に送ったメッセージでした。
5人は、異次元かどこかにいるはずの呪術師とコンタクトして魔力を中和するリズムを手に入れようとします。一言で言えばドタバタジョークSFです。それなりに面白いといったところか。
残りの2作品はショートショート。どちらも感激するほどのオチはありません。「救出者」は一種のマッドサイエンティストもの。ホントはちょっと違うけど、ジャンルを書くとそれだけでネタバレになりそうなのでここまで。良くある筋立てです。
「ステッキで殺した」はちょっぴり恐怖談風のお話。ネコの復讐話です。
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「空想不死術入門」に国連の世界人口予測(1963年)が載っています。それによると、2000年の予測人口は、最大:66.94億人、最少:54.49億人、中間値:61.30億人。実際には60.71億人ですから、かなり正確な予測だと思います。ちなみに1975年、80年、85年、90年、95年についても予測中間値の誤差は1〜2%でした。(直近数年の変化率をそのまま未来に敷衍したとしか思えない)普段目にする怪しげな経済予測と比較して、その精度の高さに脱帽。予測はこうでなくちゃ。
最後に、福島さんの論文「SFはポルノに乗るのか」について一言。これを読むと、1972年頃の社会状況が思い出されて懐かしいのですが、福島さんが「性」についてSF作家がどのように取り組むべきか、大まじめに議論しているのが何やらおかしくもあり、懐かしくもあります。そう、この時代は、「性」についてどういう立場を取るにしても、マジメに議論すべき物だったのですね・・・今のような軽い時代になったのはいつ頃からだったのか?時代は変わった。ホントにそう思います。
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