|
|
ハヤカワSFマガジン160号表紙
(C) 早川書房
|
|
|
|
<人気カウンター>
|
|
| (各号の掲載作品について、読者が1〜5点の範囲でハガキ投票を行い、平均点が高い作品を掲示していました。4点を超える作品は滅多にありませんでした。今回は1972年3月号の結果発表です。) |
|
| 順位 |
題名 |
作者 |
得点 |
| 1 |
影の船 |
フリッツ・ライバー |
3.74 |
| 2 |
魔女の標的 |
平井和正 |
3.68 |
| 3 |
ひきさかれた街 |
藤本泉 |
3.50 |
|
|
今月号はロバート・F・ヤングの特集。中篇1作品と、短篇2作品が掲載されています。
ロバート・F・ヤングって、人によって好き嫌いがはっきり分かれそうなロマンティックな作品が多い作家。一言で言えば(かつての?)少女漫画風な甘いストーリーが特徴です。
今回掲載されている「いかなる海の洞に」は、タイタン族の少女と青年のほろ苦いラブ・ストーリー。「時を止めた少女」は、異性から婿捜しにやってきた少女と青年のラブコメ。「ペネロピへの贈り物」は、これまた異性からやってきた少年が偶然出会ったネコのために心温まる贈り物をする話。
どの作品取ってもいいお話ですが、私の一番のお勧めは「時を止めた少女」かな。作品自体の出来映えとしては「いかなる海の洞に」がピカ一だけど、やっぱりラブ・ストーリーはハッピーエンドじゃなきゃだめです。韓流は切なすぎて好きじゃないです。
**************************************
ロバート・F・ヤングの次に良かったのは「性炎樹の花咲く時」でしょうか。
何時の時代、何処にあるのかも不明な都市「エロータス」を舞台にした旅立ちの物語。
荒巻さんの作品ってテーマがどの辺りにあるのかは良く分かりませんが、異質な世界の雰囲気を味わうことができて好きです。
このお話の舞台「エロータス」は、毎年夏になると性炎樹の花が咲き、その香りが大人を悉く性的に興奮させます。そして人々は昼となく夜となく、疲れ果てて動けなくなるまで相手を変えて性の衝動に身を任せます。
住居は地面から生えてくる、食べ物はいくらでも見つかるはで、「エロータス」に住んでいる限り衣食住とも不自由することはない。自然に身を任せ、余計な好奇心を持たないという戒律さえ守っていれば、一生それなりには暮らしていけるという楽園が舞台です。
これは、そんな街で育った幼なじみの男女が、「そこに何があるのか知りたい」というだけの理由で、未知の世界を目指して船出するお話です。
**************************************
産霊山秘録 第3話は「妖異・関ヶ原」。織田信長を失ったヒ一族は次に徳川家康に肩入れし、新たに発見されたヒの超能力を使って、関ヶ原の戦いを勝利に導きます。
この第3話の中で、ヒ一族の指導者である「随風」こそが、後の「天海」であることが明かされたり、随風の子供である猿飛に「佐助」という名の子供ができて、真田一族と懇意になったり、猿飛が真の産霊山にテレポートしようとして月に行ってしまったりと、さまざまに読者を「ホホー」と喜ばせるための工夫がなされています。
私も当時は「なるほど」と膝を叩きながら読んだ記憶があるが、今読み返してみると、カナリ、ウソっぽいですねー。もう少し細部をしっかり書き込んだ方がよいのでは、なんて思いました。
**************************************
「Q」は、空飛ぶ円盤のお話です。それ以上の説明はできません。正直なところ、作者が何を書きたかったのかさっぱりわかりません。
多分、この時代にあった「世の中は悪い方向に向かっている」という焦燥感が作品の背景にあるのだと思います。作者は、そういう焦燥感を具体的に表現するために、人々が、何かに憑かれたかのように「空飛ぶ円盤」の存在を信じ始めるというお話を作ったのではないかと思います。
しかし、そう言う焦燥感に共感できなくなってしまった今では、この作品は謎です。そういう意味で、私には理解不能、従って説明不能な作品です。
それはそうと、この時代には「UFO」ではなくて「空飛ぶ円盤」だったんですよね。いつから「UFO(ユーフォー)」という和製英語が使われるようになったのでしょうか?言葉を変えた目的は、おそらくUFO(未確認飛行物体)という誰にも存在を疑うことが出来ない言葉を(「未確認」飛行物体が存在するかと聞かれたら、存在するかもしれないと答えるしかない)、実は「空飛ぶ円盤」という意味で使用するというトリックのためだと思うのですが・・・
この作品、他にも「シティカー」(自動走行車)、「ナンセンス」、「レゾンデートル」なんて言葉が登場したり、近未来と思われるのですが、コンピュータで検索した結果リストをファクシミリで相手に送信したりと、いかにも昭和のSFという香りに満ちています。作品が書かれた時代って、こういう小道具で分かるんですね〜。
**************************************
「トータル・スコープ」では、「時計じかけのオレンジ」がようやく公開されたということで、大きく取り上げられています。この作品、当時話題になりましたが、私は見逃してしまった。ビデオ化DVDがあれば、今度見てみたいという気持ちになりました。
|