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ハヤカワSFマガジン159号表紙
(C) 早川書房
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<人気カウンター>
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| (各号の掲載作品について、読者が1〜5点の範囲でハガキ投票を行い、平均点が高い作品を掲示していました。4点を超える作品は滅多にありませんでした。今回は1972年2月号の結果発表です。) |
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| 順位 |
題名 |
作者 |
得点 |
| 1 |
HAPPY BIRTHDAY TO …… |
小松左京 |
4.05 |
| 2 |
子供の情景 |
河野典生 |
3.55 |
| 3 |
柔らかい時計 |
荒巻義雄 |
3.54 |
| 4 |
5号回線始末記 |
野田昌宏 |
3.49 |
| 5 |
常識 |
星新一 |
3.33 |
| 6 |
スペース・オペラ |
山野浩一 |
3.30 |
| 7 |
システム化惑星 |
石原藤夫 |
3.17 |
| 8 |
枯れた時間 |
眉村卓 |
3.15 |
| 9 |
紺屋町御用聞異聞 |
光瀬龍 |
3.13 |
| 10 |
散歩道の記憶 |
半村良 |
3.05 |
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掲載作品の中で一番気に入ったのは、山野浩一さんの「Tと失踪者たち」。もともとカミュとかカフカの不条理世界が好きなたちなので、ニューウェーブ作品には無条件で惹かれる傾向があるんです。
世界中で、人々が突然消失し始める。そんな設定の作品です。当初は消失人数も少なく、たんに失踪しただけだと扱われていたのですが、日を追って消失者が増え、ついには目の前の人間が突然消え失せるという現象が日常茶飯事に目撃されるようになります。
ニューウェーブですからこの現象の科学的側面なんぞは解説されません。主人公のTは、人間が殆どいなくなった東京を離れて生まれ故郷に帰り、そこが無人の村になっていることを確認して再び東京に戻って来ます。この作品はTの視点から、消失末期(東京でさえ残存者を見つけることが困難になった時期)の世界を描いています。
2番目に面白かったのは「ただ暗黒」。近未来、世界中至る所に送電線が張り巡らされ、電気エネルギーを利用した、等しく豊かな社会が実現されています。
主人公は主に送電線の保守工事を担当する移動補修チームの一員。巨大な補修機械に乗り込んで世界中を移動し、人々が電気に不自由することがないように努めるお仕事です。
さて電気のおかげで等しく豊かになった社会ですが、どんな時代にも変わり者がいるもので、この時代にも時々、電気の恩恵を拒絶し、人里離れた廃墟を根城に、非文化的な生活を営むものが現れます。
そんな場合の移動補修チームのお仕事は、無法者の生息地まで出張し、力ずくでも彼らの住処まで送電線を敷設することです。このような勝手な行動を放置し、それが拡大すれば、貧困に基づく争い等が復活し、この誰もが豊かな社会を崩壊させる原因になりかねないからです。
本作品は、カナダで見つかったヒッピーグループの居住地に送電線を敷設するお話です。移動補修チームの担当者が「デーモン」、その管理者が「デヴィル」と呼称され、ヒッピーグループが「エンジェル」たちだというのは、何かの暗喩でしょうか?
そうだとしたら、「デヴィル」のリーダーが、襲撃してきた「エンジェル」のリーダーを高圧電流で焼き殺すという場面は、これもまた何かの暗喩なのでしょうか?
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産霊山秘録 第2話は「真説・本能寺」。ヒ一族は、織田信長の天下統一こそが戦国時代を終わらせる唯一の方策だと信じ、これを助けるために頭領の兄である明智光秀を派遣したのですが、もともと信長の手法は平和を愛するヒ一族の信念とは相容れないものです。
にもかかわらずヒ一族が信長を助け続けたのは、彼をコントロールすることにより多少でも戦争による被害を抑えることができるという、ある意味自己欺瞞によるものでした。
しかし、天下統一にほぼ成功した信長は、遂にヒ一族が決して容認することの出来ない暴挙を企てます。そして・・・
それにしても、半村良さんって明智光秀に何か思い入れがあるのでしょうか?というのも、戦国自衛隊でも(あの歴史では明智光秀自身は存在していませんが)明智光秀に対応する人物を好意的に描いていました。
「ペニシリン1611大江戸プラス」は、江戸初期を背景にしたタイムパトロールものです。江戸時代のゴミ箱で発見されたペニシリンのアンプルが事件の発端。「現代」のタイムパトロール支局からも応援局員が派遣されます。
光瀬龍といえば宇宙ものという印象がありますが、この頃はむしろこういったタイムパトロールものが多かったような気がします。単に事件が起きてこれを解決するのではなく、その時代の庶民の生活などが考証され、結構トリビア的な面白さもあります。もっとも今回の話では、江戸時代の生活風景よりも「現代」の光景の方が面白かった。例えば町工場に勤める主人公(実はタイムパトロール員)が、事務所の電話で呼び出されるシーン。携帯電話が普及した今では、あまり見かけない風景ではないでしょうか?
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残りの2作品はどちらも短篇です。
「男と女」はいわゆるショート・ショート。地上で最後の人間になってしまった男と女。男は女をものにしようと必死で口説くのですが、女は「牧師さんがいないと正式に結婚できないから」といった理由で(これは本気でそう言っているんですよ!)お断り続けます。男は諦めずに口説き続け、ついにプロポーズを承諾されるのですが・・・(この先がオチです)
「光、天より墜ち……」は、異星の翼のある原住民のお話。ここでも原住民が開拓者によってマイナーな存在にされるという歴史が繰り返され、原住民はいまや絶滅寸前です。このお話は(多分)人間の男性と、原住民の娘のラブ・ストーリーです。あくまでも「多分」ですが。
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「すぺーす・たいむ あんてな」に「ジャンボ熱ここにも」という記事あり。1975年頃、天体観測用の大型衛星が打ち上げられるという内容で、それ自体にはいまさらカンゲキはしないのですが「ジャンボ」という表現が懐かしいですね。「ジャンボ旅客機」がデビューしたのも、この頃だったでしょうか。そういえば、「大きいことはいいことだ」のCMが放映されたのが、1967年〜1968年。新宿高層ビルが建設されたのも、この頃だったような気がする。札幌オリンピックが1972年ですね!
いろいろ考えてみると景気良い時代だったねー
逆にそういう時代だったからこそ、トワ・エ・モア。ベッツィー&クリス等の何やら懐かしい旋律が流行ったのでしょうかね。同じく、発展の時代だからこそ、インナー・スペースを見つめなおしたいという時代の要請が、ニューウェーブSFの興隆をもたらしたのでしょうか?
そうか、今は厳しい時代だからお笑いが流行るのか、と当たり前のことに気付いたところで、来月号に続く。
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