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ハヤカワSFマガジン158号表紙
(C) 早川書房
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<人気カウンター>
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| (各号の掲載作品について、読者が1〜5点の範囲でハガキ投票を行い、平均点が高い作品を掲示していました。4点を超える作品は滅多にありませんでした。今回は1972年1月号の結果発表です。) |
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| 順位 |
題名 |
作者 |
得点 |
| 1 |
誕生 |
半村良 |
4.21 |
| 2 |
共謀者たち |
エリック・フランク
・ラッセル |
3.45 |
| 3 |
筑紫のヤマトタケル |
豊田有恒 |
3.27 |
| 4 |
コロナ |
サミュエル・R・
ディレーニイ |
3.25 |
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今月号は豊作です。どの作品も私好みで、どれから紹介しようかと少し迷いましたが、ま、やっぱりこれだな。
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ハーラン・エリスン特集ということで3作品を一挙掲載!
ハーラン・エリスンと聞けば(この号が出版された時はどうだったか思い出せないのですが)今ではそくざに「バイオレンスSF」という言葉が出てきます。多分「少年と犬」を始めて読んだときのイメージがあまりにも強烈だったせいでしょう。
ところがそんな先入観のまま「聞いていますか?」を読んでみてびっくり(といっても、確かに昔読んだ記録はあるのだが、エリスンとは結びついていなかった)。これはフツーのSFです。ある朝起きてみると、他人には見えない人間になっていた冴えない中年男のお話です。
他人に見えないといっても透明人間ではなく、話しかけても相手は気付かない、殴ってケガをさせても気付いてくれない、立ちふさがってもすっと脇を通り過ぎてしまうという、なんというか、他人が気付かない存在になってしまった男のお話。タイトルの「聞いていますか?」は、この男の叫び声です。なんとかして自分に気付いてもらいたいという叫び声です。ちょっと岬兄悟の作品に似た感じです。
2作目の「世界の中心で愛を叫んだけもの」は、これぞエリスンという彼の代表作の一つ。いまさら私が紹介するのも何ですが「お前らが救われることなんぞ絶対にないんだぜ」という作者の熱い叫びが聞こえてくるような作品ですね。うーん、これぞエリスンです。
そういえば昨年(2004年)「世界の中心で愛を叫ぶ」なんていう、タイトルを真似したとしか思えない(多分)ぬるい作品がヒットしましたが、やめて欲しかった・・・原作のイメージを壊さないで欲しい、そう思ったのは私だけでしょうか。それとも意図的に本歌取りしたのだろうか?
3作目の「サンタ・クロース対スパイダー」は、ちょっとニヒルなジョーク作品。エリスンってこういうのも書くんだ、というのが感想。
内容はタイトル通りで、サンタ・クロースが特殊装備を施した真っ赤な衣装に身を包み、謎のエイリアンに精神を乗っ取られた敵と対決するお話。一言で言えば、007のパロディです。
精神を乗っ取られた敵は全部で8人ですが、それが誰かというと、レーガン、ジョンソン、ニクソン・・・と蒼々たる方たちばかり。
主人公のサンタ・クロース(名前はクリス)が、早く仕事を済ませて北極に帰ってLSDをやりたいと思ったり、男が産まれた時から持っている特別な武器を1週間使いつづけて敵の女を始末するなんて部分がたまらなくエリスンです。
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「ダニル教授の犬」はマッドサイエンティストものです。犬の頭脳を進化させた科学者のお話。なんでも頭部の形が成長しない子犬のうちに苦痛を伴う処置を行うことで、人間でいえば10才の子供程度の知能が得られるのだとか。ふーんという感じですね。今なら遺伝子操作とか、もっとそれらしい理屈をつけることが出来そうですが・・・やはり、この手の作品は書かれてから時が経つと、どうしても古めかしさが気になります。
なんて、悪口めいたことを書きましたが、お話としては面白かったよ。ただし結末は想定の範囲内だったけどね。ま、モンスターを作り出して、おまけにそのモンスターにひどい扱いをした科学者の末路となると、こうなるのが定石ですね。
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さて次は日本人作家の作品紹介と行きましょう。
「石機械」は何時ともしれぬ時代の石の街「アルセロナ」を舞台にしたお話。主人公の名前はKです。遙か昔の話なのか、逆にずっと未来の出来事なのか、それすら分かりません。ベッドもタンスも何から何まで石によって作られる街「アルセロナ」。遥か昔から砂を落とし続ける「砂時計」。何の動力も必要とせずに自動的に動き続ける「石機械」。そういった幻想的なもので満たされた不思議な作品です。正直、作者が何を書こうとしたのか良く分かりませんが、石の粉が空気中に一杯になって、それが降り積もって全てが石の粉で覆い尽くされる、そんなイメージが浮かぶ不思議な作品です。
最後の「神変ヒ一族」は、半村良お得意の伝奇小説。というより、石の血脈とこの「産霊山(むすびのやま)秘録」によって、半村良=伝奇小説というイメージが定着したのではないでしょうか?
タイトルの「ヒ一族」というのは、テレポーテーションとかテレパシー(うー、なんか懐かしい言葉だなあ)といった超能力を持った一族。彼らは神の末裔であり、かつては天皇の上位者としての地位を持っていたらしいのですが、やがて天皇に仕える影の部隊となり、今(戦国時代)では天皇に使われることもなく細々と命運を保っている落ち目の一族です。
この第1作では、200年ぶりにヒ一族に戦国時代を終結させよという勅命が下されます。ヒ一族はこの任務を果たすべく、織田信長を上洛させ、彼に権力を握らせることで戦を終わらせようとするのですが・・・
半村良の伝奇小説では、似たような謎の一族で「鬼道衆」というのがありますが、鬼道衆が人殺しなんか平気の一族であるのに対して、ヒ一族はこよなく平和を愛し「平和をもたらすための戦い」なんて発想は夢にもできない人々です。そのため、織田信長を助けるために送り込まれたヒ一族の一人である明智光秀は一族のモラルと信長の行動のギャップに悩みます。
第1作は織田信長の比叡山攻めの場面で終わります。さあ、この後、お話はどのように展開していくのか。実はストーリーをすっかり忘れているので、これから毎号が楽しみです。
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以上、コラムには特に興味を惹く話題がなかったので、今月号はこれにて終了。
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