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ハヤカワSFマガジン156号表紙
(C) 早川書房
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<人気カウンター>
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| (各号の掲載作品について、読者が1〜5点の範囲でハガキ投票を行い、平均点が高い作品を掲示していました。4点を超える作品は滅多にありませんでした。今回は1971年11月号の結果発表です。) |
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| 順位 |
題名 |
作者 |
得点 |
| 1 |
わがふるさとは黄泉の国 |
半村良 |
3.99 |
| 2 |
無限への崩壊 |
荒巻義雄 |
3.84 |
| 3 |
ジューク・ボックス |
ヘンリー・
カットナー |
3.07 |
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今月号は「創刊12周年記念特大号」ということで、日本人作家15人の作品を掲載。星新一、半村良といった懐かしい名前も並んでいます。
先ず、掲載作品についてざっとご紹介致しましょう。
ジャンル別に分けると、内宇宙もの、あるいは内省ものが圧倒的に多いことに気付きます。15作品中の8作品がこの系統です。
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中でも内宇宙ものの典型的な作品は、「柔らかい時計」(荒巻義雄)、「スペース・オペラ」(中野浩一)の2本でしょうか。
「柔らかい時計」は主人公の精神科医が拒食症の娘を治療するお話。娘は火星の大富豪<ダリ>氏の孫で、題名のみならず前編にダリ作品のイメージがちりばめられております。
「スペース・オペラ」は、プルトンとミノスという2人の青年が理想の地を求めて宇宙を旅するお話。プルトンは自らの心の赴くままに存在するユートピア、ミノスは真の解放が存在するフリーランドを求めて旅しますが、当然、宇宙にはそのような場所は実在しません。
他にもテセウス、ミノタウロスとギリシャ神話の名前を持った人物(?)が登場しますが、作品にはギリシャ神話の雰囲気は感じられません。
一方、「散歩道の記憶」(半村良)、「アチラ」(石川喬司)は、私小説風の内省的作品です。
「散歩道の記憶」は、題名どおり、作者が世田谷の自宅付近を散歩しながら思い出したことをリアルタイムに綴ってみたという体裁。前半2/3に関しては、SFとは縁もゆかりもないエッセイです。後半から結末にかけてSFに変わるのですが、ネタ晴らしになるので秘密。
「アチラ」は夢の中の古本屋と、その古本屋に置かれている架空の本を紹介するといったお話。同じ設定の作品がSFマガジン誌上でもいくつか発表されていますが、これがシリーズ第1作かもしれません。
「枯れた時間」(眉村卓)は内省的というより、ノスタルジックな思い出話風SFです。主人公が出身大学を久しぶりに訪れ、柔道部で起きたある出来事を思い出すというお話です。これも殆どSFらしい設定がないという点では、上記の2作品に類似しています。
「HAPPY BIRTHDAY TO ……」(小松左京)、「不定愁訴」(福島正実)はインナースペースものであることだけは確信できますが、それ以外には何とも説明できない作品です。
ごく簡単に紹介すると「HAPPY BIRTHDAY TO ……」は(多分)精神を病んだ4人のグループ(老人、男、女、子供の4人)のお話。4人それぞれの視点から、世界あるいは他の3人について自分に見えている姿が語られますが、それが全て異なっており、何が真実なのか分からないまま結末を迎えます。
「不定愁訴」は、違う世界で殺人を犯したと信じている男の話。この作品でも男が見ているものと、その妻に見えている世界は異なっているようです。
以上の2作品については、これ以上の説明は不可能。ストーリーもありません(というかストーリーは重要ではありません)。
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残りの7作品のうち「子供の情景」(河野典生)は、私には理解不能な作品です。13の短篇からなる作品ですが、各短篇には、シューマンの組曲「子供の情景」13曲と同じサブタイトルが付けられています。いわば読む組曲といったところでしょうか?
「注釈の多い年譜」(筒井康隆)も内宇宙ものではありませんが、奇妙な作品です。題名どおり年表と注釈だけからなる作品です。いわゆる実験小説ですね。
「常識」(星新一)はショート・ショートなので説明省略。ドッペルゲンガー現象がテーマだということだけ書いておきましょう。
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ふーっ。これで10作品の紹介が終わりました。残りの5作品はストーリーものだから比較的説明しやすい。ささっといきましょう!
「5号回線始末記」(野田昌宏)は、野田氏(当時の本職はフジTVの番組制作)お得意のテレビ放送を題材にした作品です。TV番組やタレントさんも実名で登場したりします。ホテルのケーブルTV回線に奇妙な混信が紛れ込み、その原因を調べたら・・・というお話。
作品そのものより、「前田武彦」とか「南伸介」といった名前がいわば人気タレントの代表として登場するのが懐かしい。また作品の中に、10年後にはケーブルTVが相当有力なメディアになるだろうというような予測や、将来的には双方向放送が有力というような話が出てくるのが興味深い。時間的には多少誤差があるものの素晴らしい予想です。やっぱり未来は見える人には見えているんですね。
「紺屋町御用聞異聞」(光瀬龍)の主人公は、江戸時代に常駐している時間監視局員です。時間犯罪者を探り当てることに成功し、手柄を立てようとするのですが・・・。ま、これ以上の説明は不要でしょう。
「宇宙の牢獄」(高斎正)は、これも氏お得意の(というより独自の)カー(車)SF。政治犯を収容する小惑星に追放されたレースドライバーが、レーシングカーを使った脱走に挑みます。
残りの2作品は、どちらも惑星探査ユーモアSFです。
「有袋惑星花決闘」(豊田有恒)は、星間パトロール隊員「タキイ」が、仲間の宇宙人「ゴンベ」と共に謎解きを行うシリーズ物の1作です。今回は、カンガルー人惑星の人口減少問題を解決します。2人の他にタキイの婚約者「ミリー」(タキイを尻に敷いている)が脇役として登場します。
「システム化惑星」(石原藤夫)も、「ヒノ」「シオダ」の惑星調査員コンビが毎回奇妙な惑星を発見し、その謎を解決するというシリーズものの1作品です。今回は題名どおりシステム化惑星の謎に迫ります。謎解きが、人間や人間社会の性質に絡めて解説されるのがシリーズとしての特徴です。
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以上で作品紹介終了!
今月号は他に書きたいこともないので、これにて終了です。次回(3月号)は、作品紹介以外にちっとは時代を振り返っての感想とか思い出等を書ければと思っております。
ではまた!
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