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ハヤカワSFマガジン155号表紙
(C) 早川書房
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<人気カウンター>
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| (各号の掲載作品について、読者が1〜5点の範囲でハガキ投票を行い、平均点が高い作品を掲示していました。4点を超える作品は滅多にありませんでした。今回は1971年10月号の結果発表です。) |
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| 順位 |
題名 |
作者 |
得点 |
| 1 |
戦国自衛隊 |
半村良 |
3.69 |
| 2 |
わが愛はひとつ |
ロバート・
F・ヤング |
3.57 |
| 3 |
セイブルック星よりの使者 |
アイザック・
アシモフ |
3.48 |
| 4 |
小さな町 |
フィリップ・
K・ディック |
3.47 |
| 5 |
脱走と追跡のサンバ |
筒井康隆 |
3.08 |
| 6 |
魔法使と謎の美女 |
ジャック・
ヴァンス |
3.07 |
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今月号はディレーニイ、シルヴァーバーグと有名作家の作品が2つ掲載されていますが、この2作品については今ひとつという感じかなー。ま、もともとディレーニイの作品はそれほど好きではないし、シルヴァーバーグは長編の方がいいですよね?
ディレーニイの「コロナ」は制御不能のテレパシー能力に目覚めてしまった少女のお話。
制御不能ですから、頭のおかしなヤツの妄想やら、大怪我をしてのたうち回っている人の悲鳴やら、聞きたくもない思念が不定期に聞こえてしまいます。少女は他人の意識によって与えられる苦しみから逃れるために自殺することを望み、機会があるたびに自らの体を傷つけようとするため病院に収容されています。
そして、このお話のもう一人の主人公は、もと不良少年のバディ(現在24才)。飲んだくれの母親に育てられ、16才の年にはその母からも捨てられ、生きていくためにいろんな悪いことをやってきたという経歴の持ち主。
バディは偶然に少女に出会い、その不幸な境遇を知り、少女のために何かできることがないか考えます。
以上、前半80%ぐらいまでの粗筋を書いてみたけど、作品の紹介にはなっていませんねー。私自身がこの作品のテーマというか、作者が何を言いたいのか良く分からないので、これ以上の紹介は不可能ですね。
シルヴァーバーグの「太陽踊り」の方も良く分からない作品です。異星の有害動物を大規模に駆除するお話で、主人公はこの駆除部隊の隊員。
定期的に空から毒物をまき散らすという仕事に従事しているのですが、ひょっとしたら「有害動物」とされているのは知的生物であり、自分たちは大虐殺をやっているのではないかという疑いにとりつかれます。そして・・・
以上の粗筋だけ読むと、えらく分かりやすそうな作品に思えるでしょうが、結末がどうにも理解できないのです。ひょっとして私が読み過ぎてるだけなのかな・・・
そもそも原題の「Stardunce(Stardanceではない)」を「太陽踊り」と訳すのは誤りではないでしょうか?それとも意図的な誤訳なのか?
海外作品で一番面白かったのは「共謀者たち」です。舞台は恒星間飛行中の宇宙船。どういうわけか、船内のネズミ、実験用モルモット、ペットの猫や小鳥たちの大脳が発達し、人間並みの知能を獲得してしまいます。
彼らは「共謀」して、人間達からの脱走計画を練り上げ、船が居住可能な惑星に接近したタイミングで、救命ボートに乗り込んで逃げ出そうとするのですが・・・
前の2作と違ってストーリーがあるので説明も楽ですね
(^_^)。結末もハッピーエンドだし、ちゃんと伏線も張られていて、読み終わると「なるほど、そういうことか」と膝でも叩きたくなるような秀作です。
ちなみに、この作者(ジェイムズ・ホワイト)の作品はあまり邦訳されていませんが、長編SF「生存の図式」が早川書房から出版されています(1983年 海外SFノヴェルズ)。沈没船に閉じこめられた人達が知恵を絞って生き抜き、子孫まで残すというかなり眉唾物の設定ですが、お話としては面白いので、興味のある方はご覧あれ。
「ミュータント売ります」もちょっとブラックな好作品。「ミュータント売ります」という看板を掲げた店に冷やかしに入った男のお話。どんなミュータントでも作ってみせると豪語する店主に対し、ミュータントなんてどうせ嘘っぱちだろうと高をくくって、小さな白犀(さい)を作って見せろとからかいますが・・・
店主が「材料の入手に少し時間がかかる」と応える辺りでオチが分かってしまうのが少し残念ですが、面白いお話であることは間違いありません。
もう一つの海外作品は、ドイツSF作家のショート・ショート。ショート・ショートの内容をネタばらしにならないように紹介できる技量はありませんので、全体としてまずまずの出来だとだけ書いておきます。
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残りの2作品は(当時)売り出し中の作家、豊田有恒、半村良の中編小説です。「筑紫のヤマトタケル」は古事記・日本書紀の英雄ヤマトタケルを主人公にした連作の1つです。竜王や鳳凰などの想像上の生き物も登場する、いわゆる伝奇小説です。今回は、クマソ討伐を終えて大和に帰還する途中の冒険談です。何も難しいことを考えずに楽しく読むことが出来ます。私も当時はこのシリーズが大好きでした。
「マリー・セレステ号への挑戦」は、題名通りマリー・セレスト号のミステリー(航海途中に船員・乗客全員が消失したという有名な話)を謎解きしようという作品。羽田空港に着陸した旅客機からクルー・乗客全員が忽然と消失する事件が発生。主人公たちはこの事件とマリー・セレスト号との共通点に気付き、事件の謎を解き明かそうとします。
謎解きをもっともらしく見せるために、三位一体説やら仏教の奥義やらを関連づけて解説しているのですが、成功しているとはいえません。まだ駆け出しでそれだけの筆力がなかったのか、そこまで話を広げるためには作品の分量が不足しているのか。三位一体説もとってつけたようで、むしろ結末の嘘くささを増幅しているような気がします。残念ながら駄作といわざるを得ません。
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作品以外で目を引いたのは裏表紙の広告です。曰く「大切な子供たちをシンナーの害から守りましょう」。商品名が「ノンシンナーボンド」だから、読んで字のごとく、シンナー成文が入っていない接着剤なんでしょうね。今でも存在するのでしょうか?ふと疑問に思ってGoogleで検索してみましたが、ノーヒットでした。
そういえば当時は青少年の「シンナー遊び」だとか「シンナー中毒」が社会問題として報道されたりしましたよね。だからこそ、ノンシンナーボンドなんて製品も生まれたのでしょう。WEBで調べてみると、シンナー遊びもなくなってはいないようですが、マスコミの報道を見かけることはなくなりました(いつものように飽きたのでしょうね)。
この製品が果たして売れたのかどうかは不明です。
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