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ハヤカワSFマガジン153号表紙
(C) 早川書房
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<人気カウンター>
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| (各号の掲載作品について、読者が1〜5点の範囲でハガキ投票を行い、平均点が高い作品を掲示していました。4点を超える作品は滅多にありませんでした。今回は1971年8月号の結果発表です。) |
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| 順位 |
題名 |
作者 |
得点 |
| 1 |
少年と犬 |
ハーラン・エリスン |
4.15 |
| 2 |
九つのいのち |
アーシュラ・K・
ル・グィン |
3.71 |
| 3 |
ああ荒野 |
荒巻義雄 |
3.69 |
| 4 |
正当防衛 |
小松左京 |
3.42 |
| 5 |
憑きもの |
ロバート・
シルヴァーバーグ |
3.36 |
| 6 |
農閑期大作戦 |
半村良 |
3.32 |
| 7 |
脱走と追跡のサンバ |
筒井康隆 |
3.21 |
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「聖者をたずねて」今月号ではこれが一番面白かったかな。宗教などという非科学的な物は禁止され、信者は迫害を受ける近未来が舞台。キリスト教も貧しい宗教の一つに転落しています。
この時代の法王のもとに、多くの人をキリスト教に改宗させたという「アクィン」という男の噂が届き、法王は真偽を確かめるため、腹心の部下トマスを旅立たせます。そして辛い旅の末、トマスはアクィンについての真実を探し当てますが・・・。
「今はとても信仰の強い時代だ。なぜならばこの(迫害の)時代に信仰を捨てないでいるものは真実の信仰を持っているから」という冒頭の法王の言葉がなぜか印象的。現代は宗教に限らず、あらゆるものへの信仰が薄い時代かとふと思ったりしました。
「憎まれしもの」は宇宙飛行に伴うトラウマをテーマにした作品。
宇宙飛行士たちは狭い空間に何年も閉じこめられるため、しだいに精神に変調を来し、仲間への殺意を高めていきます。そこで飛行中は心理学的な抑制によって殺人が起きるのを押さえ、帰還した飛行士たちが殺し合いを行わないために、それぞれ居住範囲を定めて、接触をさける。というのがお話の前提です。
なんだかこの前提自体がばかばかしくて納得できず、話そのものにも集中できませんでした。「昔のSF」ですね。
「第四世代」は、あるロシア人が、死を迎える際に、神に新大陸に移住した娘の子孫がどうなるのか見せて欲しいと頼み、願いが叶えられるお話。
アシモフらしく話の組み立てがミステリー仕立てで、ぐいぐい引き込まれます。秀作です。
「ジュークボックス」は不思議なジュークボックスに見込まれた男の成功と没落談。途中で結末が見えてしまうものの、それでも軽く楽しめる作品です。
「インディアンごっこ」は、政府から拷問を受けてこときれる間際の科学者の精神が、インディアンごっとに興じる子供の精神と同調し、この子供の深意識に秘密を伝えて死ぬ話。私には何が面白いのかさっぱり分かりませんでした。
逆に「無限への崩壊」は面白いのですが、何が面白いのかが説明できません。
未来、精神的な進化を遂げた新人類を狩るハンターのお話。なぜハントするのか、その理由は明確に語られていませんが、小説中の精神科医師のおしゃべりによれば、「人類は根元的に暴力と破壊の衝動を持っており、過去には戦争がその衝動を発散させていた。戦争がなくなった『現代』において衝動を発散させるためには、何かの犠牲者が必要、それがミュータントだ」とのこと。
主人公のハンターは、愛した女ミュータント「エリナ」を自らの手で殺し、その思いから逃れるように、カサブランカに移り、当地に潜んでいるという強力なミュータント狩りに着手します。
お話の大半はカサブランカでのミュータント狩りですが、カフカの「異邦人」と現実が混ざり合いながら話が進行。形式は異人種狩り小説だが、それだけではない味わいがあります。
「わがふるさとは黄泉の国」これも面白かった。陰気な見かけと性格から、優しい性格と裏腹に「死神」とあだ名されるサラリーマンが主人公。この男の趣味もまた、日本の古代史とか神話の調査という若者らしからぬものです。
ある日、たまたま知り合った女性が、「気になる男が自分を振り向いてくれない」というだけの理由で自殺。その女性の出身地が周囲から「自殺部落」とよばれる村だと聞いた男は、この村の周辺の地名と黄泉の国との関連に気づき、興味を抱きます。そして、女性の遺骨を縁者に引きわたすためという名目を付けて、調査に向かいますが・・
黄泉の国に到達してからの展開が早すぎるようです。もっと書き込んでも良かったのではないか?黄泉の国に生きている期間だけ留まる霊魂たちが、生者に自分たちの体験を伝え、それによって社会が同じ過ちを繰り返すのを防ぐという説。この黄泉の国が崩壊したことによって、戦争の体験を伝える霊魂がいなくなったという談。いかにも半村さんらしいお話です。
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今月は、以上の作品の他に、投稿小説が掲載されています。小説自体の内容は「ふーん」という一言ですが、これが掲載された背景が面白い。
この時代、ラジオの深夜放送が若者にはやりました。深夜放送ではヒット曲を流すだけでなく、聴者からのお便りを読んだり、短い小説を募集して、番組で紹介するようなものもありました。大阪毎日放送のチャチャ・ヤングという番組では、眉村氏がDJをつとめ、SFショートショートの投稿も行われていたようです。願い事、砂漠、願い事の3作品は、その投稿作品の中でも優秀なもののようです。
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鳥人大系は「オーベロンと私」の章が終了。米国を支配しようとした鳥人オーベロンは偶然野犬にかみ殺され、米国は危機を脱します。
最後に、今月号から「新・幻魔大戦」が始まりました。1999年、日本の首都エドの大学生香川千波は、ベアトリス女王の超能力によって江戸娘「お蝶」の精神と融合させられます。そして「お蝶」として江戸時代に時間移動して、優れた超能力者の家系を創始する使命を与えられます。今月号では、千波がベアトリスと出会うまでの、世紀末の事件が語られます。
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