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ハヤカワSFマガジン150号表紙
(C) 早川書房
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<人気カウンター>
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| (各号の掲載作品について、読者が1〜5点の範囲でハガキ投票を行い、平均点が高い作品を掲示していました。4点を超える作品は滅多にありませんでした。今回は1971年6月号の結果発表です。) |
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| 順位 |
題名 |
作者 |
得点 |
| 1 |
緑の太陽 |
荒巻義雄 |
3.91 |
| 2 |
東キャナル文書 |
光瀬龍 |
3.55 |
| 3 |
脱走と追跡のサンバ |
筒井康隆 |
3.34 |
| 4 |
精神接触 |
アイザック・アシモフ |
3.16 |
| 5 |
まちがえられた後光 |
ヘンリイ・カットナー |
3.11 |
| 6 |
月のさやけき夜に |
マンリイ・ウエイド・
ウエルマン |
3.01 |
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1971年は21世紀最後の火星大接近の年だったようです。そういえば、私も小学生の時だったか、毎月のお小遣いを貯めて、屈折式の望遠鏡を買った記憶があります。
今でも手元に置いてありますが、今見ると倍率もさほどなく、まさに「天体観測入門」程度のものですが、木星の大赤斑、土星の輪、外星雲を見た時の感動は、微かながらも覚えております。火星大接近の月には、久しぶりに望遠鏡を取り出し、火星を眺めた記憶もあります。
世間でもこの年は天体望遠鏡が飛ぶように売れたとか。「宇宙船」という言葉が科学用語またはSF用語から日常の普通名詞に変わろうとしていた影響もあるのでしょうか?
そんな状況の中、巻頭言では初めての宇宙事故についてふれられています。事故とは、ソ連(なつかしー)のソユーズ11号が帰還途中、事故で3人の宇宙飛行士が死亡したというもの。宇宙船の故障ではなく、重力変化に飛行士の体がついていけなかったという説もあり、関係者には大きな衝撃を与えたようです。
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宇宙船だけでなく、この時代には新たな技術への期待が高まっていたように思います。
この年の6月22日、科学技術庁が、各界の指導的立場にある人々2500人に意見を求めたアンケートの結果を「21世紀への技術予測」として発表したそうです。
中身を見ると、誘導ビームハイウェイシステムの普及(1981年)、学習機能を持ったコンピュータの実用化(1980〜1990年代)、テレビ電話の普及(1988年)、家事労働ロボットの実用化(1999年)というように今から見ると楽天的に過ぎる予測のように思われます。
中には、家庭用ミニコンピュータと通信回線の普及(1999年)と、なかなか的確な予測もありますが、この技術自体は「重要視されていない」とのことです。先を読むって難しいもんですねー。
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さて、この辺りで、今月号の作品について簡単に説明しましょうか。
一番気に入ったのは、「終末も遠くない」でしょうね。この作品、かつて今月号で読んだほか、忘れた頃にニーヴンの短編集でも読んで、再度気に入った作品です。
大地に潜む不思議なエネルギー「マナ」を魔法の源流として使用していた超過去の地球を舞台にしたシリーズの一作です。一連の作品の時代には、マナが枯渇しつつあり、それにともない、魔法使いは未だに勢力を保ちつつも、次第に力を失いつつあります。
この作品は、愛人と平和に暮らす魔法使いに、強力な悪魔にとりつかれた阿呆な剣士が難癖付けて戦いを挑む話。魔法使いはある仕掛けを使って悪魔を倒しますが、その過程で、この魔法を基盤とする文明が終演を迎えようとしていることが証されます。そして最後に魔法使いは「結局は、この阿呆な剣士たちの時代が来るのだろう」と嘆くのです。
首狩りは、どういう方法でか、首だけを体から分離して保管する組織の物語。分離すると言っても切り離すのではなく、首から上と下が別の空間に分かれて存在しているという具合のようです。分離された首は生き続け、組織は首の世話人を雇って、食事を初めとする生活の面倒をみさせています。ふとしたことで首の世話係そして首刈り係に調達されてしまった男と女が、最後には自分たちも首だけにされ、心の平和を得るお話です。
戦国自衛隊は映画化されたのでご存じの方も多いと思います。タイトル通り、演習中に戦国時代にタイムスリップした自衛隊の話。「本当」の歴史と微妙に異なる戦国時代の日本に到着した彼らは、否応なしに天下統一の戦いに巻き込まれ、やがてこれも運命と割り切って、天下取りの主導権を握っていきます。SF時代劇といったところでしょう。
脱走と追跡のサンバは、主人公が、脱出するのでなく、世界を自分自身の内宇宙に閉じこめれば良いのだと考えます。そして、その邪魔になる、追跡者および束縛者たる恋人を殺害し、追跡も束縛もない自由を手に入れます。
「時は準宝石の輪廻のように」「われわれはみな裸で死ぬ」は正直なところ、今ひとつでした。「時は準宝石の輪廻のように」は、未来のちんぴらの出世談。「われわれはみな裸で死ぬ」は、環境汚染がきっかけで地球が滅びる話。どちらかといえば、「われわれはみな裸で死ぬ」のほうが良かったかな。月への脱出も選択できた主人公夫婦が、慣れ親しんだ世界と共に滅びる道を選びます。
「時は準宝石の輪廻のように」では、唯一、小物から中物、あるいは中物から大物に進化しようとしている犯罪者だけを取り締まりの対象とする特殊な警察という存在が面白かった。犯罪者が自分の力量の範囲で犯罪を犯している限り、社会的にはたいした影響はない。問題は、犯罪者が一段階レベルアップしようとしている時で、これは食い止めないと社会に大きな影響を与えるという理論。昔、そういう話を読んだことは覚えていましたが、この話だとは思わなかった。
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この年には「星雲賞」が創設されました。記事によると「昨年6月のTOKON5委員会で、SFにも他の文芸分野のような賞があるべきという話が出てきた」ということがきっかけで制定されたようです。
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裏表紙の広告は「10色ボールペン・カラービック」です。日本で初めての10色ボールペンだそうです。そういえばラインマーカーができたのもこの頃だったような気がします。それまでは、色つきの筆記用具といえば、赤鉛筆ぐらいで、ちょっとお金持ちでもせいぜい赤か青のボールペンでした。この頃から文房具のカラー化が急速に進み出したような気がします。
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