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ハヤカワSFマガジン147号表紙
(C) 早川書房 | |
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<人気カウンター> | |
| (各号の掲載作品について、読者が1〜5点の範囲でハガキ投票を行い、平均点が高い作品を掲示していました。4点を超える作品は滅多にありませんでした。今回は1971年3月号の結果発表です。) | |
| 順位 |
題名 |
作者 |
得点 |
| 1 |
脱走と追跡のサンバ |
筒井康隆 |
3.43 |
| 2 |
『オー!』
にご注意を. |
ヴラドレン・E・
バフノフ |
3.34 |
| 3 |
美亜に送る真珠 |
梶尾真治 |
3.30 |
| 4 |
命令 |
L・スプレイグ・
ディ・キャンプ |
3.27 |
| 5 |
友よ、明日を…… |
横田順弥 |
3.25 |
| 6 |
酵素M |
エレメイ・パルノフ、
ミハイル・エムツェフ |
3.16 |
| 7 |
生命の圧力 |
ドミートリイ・
ビレンキン |
3.06 |
| 8 |
アライドの白い柱 |
アルカージイ&ボリス・
ストルガツキー |
3.00 |
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先月に引き続き今月も傑作揃い、というか私好みの作品揃いです。
まずは、大好きなアシモフの「精神接触」。年老いて今まさに滅びつつある惑星があります。この惑星の住民たちは精神接触の能力を持ち、高度な科学技術も発展させていたのですが、不幸なことに星系が孤立しており、そのため恒星間飛行の技術を少しずつ発展させることができず、主星が冷えつつあると分かった時には、地熱エネルギーを求めて地下深く潜るしかありませんでした。
年月がたつにつれますます星は冷え、かれらはますます地下深くに潜っていきました。しかしそれも限界に近づき、いまや滅びの時が迫っていました。
もはや最後かと思われたのですが、偶然10光年ほど離れたところから精神派が検出されます。近くに惑星があるのだ!彼らは最後のエネルギーを使って移住作戦を行うことにし、準備作業のために、その惑星(実は地球に)工作員の精神を送り込みます。
他者と自由に心の交流ができる種族の工作員が、精神接触能力のない地球人とコンタクトした驚き、おまけに、たまたまさらにハンディを背負った彼がどうやって使命を成功させるか、等々、知的スリルを感じるアシモフの脂ののった一品です。
「王者の祈り」は物心ともに豊かな未来の社会に突然変異的に生まれた、犯罪的性向を持つ男の物語。すべてを手に入れていると豪語する男の苦悩とは?なんちって・・
「継承の日」は異星人の到着を迎え撃つ将軍の話。私はこの小説を読んで、現職大統領が亡くなった時の継承順位が、副大統領→下院議員議長の順番に決まっていることを知りました。本って勉強になるなー。
「ミール城の魔法使」は遙か未来、ゆっくりと滅びつつある地球を舞台にした物語。一人の魔法使いが生命合成のナゾを解くために、不思議な世界に住んでいる偉大な魔法使いに師事し、一人の女を作って地球に戻るまでの話です。軽妙で面白いのですが、終わりが中途半端な感じがします。ひょっとしたらシリーズ作品の序章でしょうか?面白いのは、この世界の魔法の基礎は数学だということです。
「緑の太陽」は荒巻さんお得意の内宇宙ものです。何か分からないけど含蓄がありそうで面白いという感じかな。カルナック航法なる超高速飛行方法がでてきますが、こういう物理的な話になると、説明がいいかげんで説得力がないのが残念。この人はサイエンスなどに首をつっこまずに、精神病棟あたりを彷徨っている方が良いと思いますです。
「脱走と追跡のサンバ」は、今回は追跡者の独白による中休みで、お話は発展しません。
「まちがえられた後光」は米国「チベット」町に住んでいて、チベットの高名な僧侶と名前が似ていたばかりに、間違って天使から後光をもらった男の不幸談。たしかに超能力ならともかく、後光なんてもらっても普通の人には役に立たないばかりか、めだって仕方ない、邪魔者でしょう。
「月のさやけき夜に」は「黒猫」執筆中にポーが出くわした奇妙な事件のお話。雰囲気がポーっぽくて良いです。
「ミスター・ジンクス」は修行により、誰でも煉獄に送る力を得たジンクス氏が、アメリカで金儲けをしようとして、一人の若い女性にしっぺ返しされる話。女性のストッキングを破ると怒りを買うという教訓談(ここはウソです)。
「東キャナル文書」は、光瀬龍さんの東キャナルものの多分最初の作品。このシリーズは高名ですが、私は好きでないです。時代は今から1万年後ぐらいのはずなのに、トラックめいた乗り物や、巨大コンピュータやらが小道具になっていて、ちっとも遙か未来という気にならんのです。1万年も立てばテクノロジーは現在とは異質なものになっているはず。そういう片鱗でも見せてほしい。そんな感想です。
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巻末広告は、先月から「Canonポケトロニクス」。プログラミング可能な関数電卓ですが、これが何と87,000円!今なら安いパソコンが買えそうな値段です。四則演算だけのふつうの電卓だって高級品だった時代でした。
値段といえば、今月号のSFマガジンのお値段が250円です。マンガ雑誌じゃないんだよ。今の三分の一ぐらいかな。このころ良くいっていたうどん屋さんのうどん1杯の値段が100円でした。まあ、この店は当時でも異例に安い店でしたが、ふつうの店で昼食を食べても200〜300円じゃなかったかな。
この頃から私が大学を卒業するまでの4〜5年が、サラリーマンの給料が急激に上がった時代で、同時にものの値段も急上昇した時代だったと思います。身を粉にしてのがむしゃらな経済発展が一段落し、人々がより豊かな生活を求めるようになり、そして少しずつそれが得られるとともに、平和ぼけした社会に不満を持つ余裕もできてきた時代。それが、この当時の日本作家の作品のベースになっているのではないでしょうか?
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